建築物解体工事共通仕様書とは|解体工事の仕様書の書き方

建築物解体工事共通仕様書と解体工事の仕様書の書き方を紹介する記事のアイキャッチ。現場事務所で仕様書と図面を確かめる手元

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建物を壊す工事の担当になり、『解体工事にも共通仕様書ってあるの?』と調べている方も多いですよね。新築の仕様書は見慣れていても、解体となると勝手が違うはずです。

結論から言うと、建築物解体工事共通仕様書は国土交通省の官庁営繕が定めた、官庁施設などの解体工事に使う共通の仕様です。2026年10月時点で確認できた版は令和4年版で、工事ごとの決まりは特記仕様書で足していきます。

この記事を読めば、この共通仕様書の位置づけと、解体工事の仕様書で決めることの全体が分かります。

目次

建築物解体工事共通仕様書とは?

先に結論

建築物解体工事共通仕様書は、国土交通省の官庁営繕が技術基準の一つとして公開している文書です。官庁施設等の解体工事で、解体の施工などの共通的な仕様をまとめたものです。

『解体なんて、壊すだけじゃないの?』と思う方もいるかもしれません。実は、解体工事こそ、事前の調査や廃材の扱い、周りへの気配りなど、決めておくことが多いんです。

項目内容
文書の名前建築物解体工事共通仕様書
定めているところ国土交通省 官庁営繕
2026年10月時点で確認できた版令和4年版(掲載PDFは2022年5月10日改定)
対象官庁施設等の解体工事
中身の性格解体の施工などの共通的な仕様

新築の標準仕様書との関係

官庁営繕の工事では、新築や増築は公共建築工事標準仕様書、改修は公共建築改修工事標準仕様書、と工事の種類ごとに文書が分かれています。解体工事を受け持つのが、この建築物解体工事共通仕様書です。

工事の種類官庁営繕の文書確認できた版
新築・増築公共建築工事標準仕様書令和7年版
改修公共建築改修工事標準仕様書令和7年版
木造公共建築木造工事標準仕様書令和7年版
解体建築物解体工事共通仕様書令和4年版

新築の標準仕様書については公共建築工事標準仕様書(建築工事編)とはで紹介しています。

「共通仕様書」の名前が付く理由

共通仕様書とは、どの工事にも共通する決まりを、あらかじめ定型の形でまとめた文書のことです。その工事だけの決まりは、特記仕様書で補います。

解体工事でも考え方は同じで、建物ごとの事情は特記仕様書に書きます。共通仕様書と特記仕様書の関係は共通仕様書とは?標準仕様書との違いと使われ方で詳しく紹介しています。

建築物解体工事共通仕様書の最新版はどれ?

ここでの結論

国土交通省の官庁営繕のページで、2026年10月時点で確認できたのは令和4年版です。新築の標準仕様書が令和7年版なので年がずれていますが、文書ごとに改定の時期が違うためです。

『令和4年版って古くない?もっと新しい版があるのでは』と不安になる方もいますよね。官庁営繕の文書は、それぞれ改定の時期が違うんです。

例えば、建築保全業務共通仕様書は令和5年版、公共建築設計業務委託共通仕様書は令和6年改定、と文書ごとに版がばらばらです。年がそろっていなくても、それぞれの最新版を確かめれば大丈夫です。

最新版を確かめる手順
  1. 工事の特記仕様書で、使う解体工事の共通仕様書と版を確かめる
  2. 国土交通省 官庁営繕の技術基準のページで、掲載されている版を見る
  3. PDFの表紙や改定日の表記を確かめる
  4. 自治体などの工事では、その発注者が使う仕様書を確かめる

官庁営繕の技術基準は 国土交通省 官庁営繕の技術基準のページ から一覧で見られます。

発注者ごとに使う文書は違う

国の官庁施設以外の解体工事では、発注者が別の仕様書を使うこともあります。県や市の工事なら、その発注者のサイトと特記仕様書で確かめてください。探し方は都道府県・市町村の共通仕様書の探し方でまとめています。

解体工事の仕様書で決めることは「事前調査」「分別と処分」「近隣と安全」の3つ

ここが大事

解体工事の仕様書で決めることは、大きく「事前調査」「分別と処分」「近隣と安全」の3つに分けると抜けが出にくくなります。共通仕様書にない、その建物ならではの事情は特記仕様書に書きます。

解体工事の仕様書を読む時も書く時も、『何から考えればいいの?』と迷いますよね。3つの箱に分けて考えると、すっきり整理できます。

解体工事の仕様書で決めることを事前調査、分別と処分、近隣と安全の3つに分けたチェック表の図解
区分決めておくこと例えばこんな確認
事前調査建物の構造や材料、残っている設備や物、地中の状況図面と現地の違い、有害な材料が使われていないか
分別と処分解体材の分け方、運び出し方、処分の記録どの材料をどこで分けるか、処分の書類をいつ出すか
近隣と安全作業の時間、騒音・振動・粉じんへの対策、通行の安全散水の方法、近隣へのお知らせ、仮囲い

事前調査で見落としやすいこと

古い建物ほど、図面と実際の建物が違うことがあります。増築や改修の記録が残っていない場合もあるので、現地で確かめる段取りを仕様書に入れておくと安心です。

建物の中に残った家具や設備を誰が片付けるのかも、意外と抜けやすい項目です。発注者側で片付けるのか、工事に含めるのかを先に決めておきましょう。

石綿(アスベスト)など、有害な材料が使われていないかの調査も大事です。関係する法令の手続きは、発注者や行政の窓口に確かめながら進めましょう。

分別と処分で決めておくこと

解体で出た材料は、種類ごとに分けて運び出すのが基本です。どこで分けるか、処分の記録をいつ誰に出すかを、仕様書や打合せではっきりさせておきます。

『処分の書類は、工事が終わってからまとめて出せばいい』と考えがちですよね。ただ、提出の時期が決まっていることもあるので、工事の始めに確かめておくと慌てずに済みます。

近隣と安全で決めておくこと

解体工事は、音や揺れ、ほこりが出やすい工事です。作業の時間帯や、散水などの対策、近隣へのお知らせの方法を決めておくと、トラブルを防ぎやすくなります。

例えば、学校や病院の近くの現場なら、作業の時間帯や車両の出入りの時間を細かく決めることもあります。現場の周りの様子を見てから、特記に書くことを考えてみてください。

解体工事の仕様書のチェック表
  • 図面と現地の違いを確かめる段取りがあるか
  • 有害な材料の調査と、その結果の扱いが決まっているか
  • 解体材の分け方と、処分の記録の出し方が決まっているか
  • 作業の時間帯と、騒音・振動・粉じんの対策が決まっているか
  • 近隣へのお知らせと、通行の安全の対策が決まっているか

解体工事の仕様書の書き方

ここでの結論

解体工事の仕様書は、共通仕様書に書かれていることは「共通仕様書による」とし、その建物ならではの事情を特記として書くのが基本です。民間の小さな解体でも、3つの区分で項目を並べると見積もりを比べやすくなります。

『自分で解体工事の仕様書を書くことになった』という方もいるはずです。官庁の工事でも、民間の工事でも、書く順番の考え方は同じなんです。

官庁の工事で特記仕様書を書く時

共通仕様書を使う工事では、まず「どの共通仕様書の何年版を使うか」を書きます。そのうえで、その建物ならではの事情を足していきます。

共通仕様書と同じことを特記に書き写す必要はありません。書き写すと、改定の時に食い違いが起きやすくなるので、違う所や足す所だけを書くのがコツです。

書くこと例えばこんな内容
使う共通仕様書と版建築物解体工事共通仕様書(令和4年版)による、など
工事の範囲解体する建物、残す部分、地中の扱い
事前調査の結果と扱い調査で分かったことと、その対応
分別と処分分け方や、処分の記録の出し方の指定
近隣と安全作業の時間帯、対策の指定

民間や小さな解体工事でまとめる時

家や小さな建物の解体を頼む時は、正式な仕様書でなくても、決めたことを紙にまとめておくと役立ちます。何社かに見積もりを頼む時も、同じ紙を渡せば比べやすくなります。

家の解体工事を頼む前に、打合せのテーブルで解体する範囲や近隣への対策をまとめた書類を確かめている手元の写真

例えば、業者さんとこんなやり取りをしておくと安心です。

「庭の木や塀も撤去の範囲に入りますか?」
「入れる場合は、見積書に分けて書いておきますね」

よくある失敗

「全部おまかせ」で頼んだ結果、塀や庭木、地中の物の撤去が範囲に入っておらず、あとから追加の話になることがあります。残す物と撤去する物を、最初に書き出しておきましょう。

工事の仕様書全般の書き方は工事仕様書とは?書き方とテンプレートの使い方で紹介しています。

解体工事の仕様書でよくある相談

ここでの結論

よくある相談は「実施仕様書は誰が何のために作るのか」「完成図はどうまとめるのか」「解体工事の散水は必要か」の3つです。どれも、その工事で使う仕様書と、発注者との打合せで決まる部分が大きいです。

知恵袋には、解体工事や工事の仕様書についての相談も寄せられています。よく読まれている相談を要約して答えてみますね。

相談1:実施仕様書は誰が何のために作る?

『工事の実施仕様書とは、誰がどんな目的で作るものなのか』という相談です。

工事の書類の呼び方は、発注者ごとに少しずつ違います。まずは、その工事で使う共通仕様書の用語の定義を見てみてください。書類の呼び方や、誰が作るのかの手がかりがまとまっています。

それでも分からない時は、監督職員に「この工事でいう実施仕様書は、どの書類のことですか」と聞いてみてください。呼び方の行き違いは、最初に確かめておくのが一番です。

相談2:完成図はどうまとめればいい?

『工事の完成図は、施工者が当初の図面や変更の図面をもとに作るものなのか』という相談です。

公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版では、1章に「完成図等」の節があります。どこまでを完成図に含めるかは、使う仕様書と特記仕様書、監督職員の指示で確かめましょう。

相談3:家の解体工事で散水は必要?

『家の解体工事で、建物だけでなく土の整地でも水まきは必要なのか』という相談です。

散水は、ほこりが近所に飛ぶのを防ぐための対策の一つです。どの作業でどこまで行うかは、見積書や契約の段階で業者さんと決めておくと安心です。『そこまで頼むと高くなるのでは』と迷う時も、まずは何をするのかを書面で確かめておきましょう。

仕様書を整理する力は、ほかの仕事でも役立つ

解体工事の仕様書のように、決めることを区分ごとに書き出し、関係者と確かめる力は、システム開発の要件定義や社内SEの仕事とも共通しています。ITの仕事に興味がある方は、今の仕事で経験を積みながら、求人の仕事内容をのぞいてみるのもひとつの方法です。

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仕様書そのものの基本は仕様書とは?意味と目的で紹介しています。

よくある質問

建築物解体工事共通仕様書の最新版はどれですか?

2026年10月時点で国土交通省の官庁営繕のページで確認できたのは令和4年版です。工事で使う版は、特記仕様書の指定で確かめてください。

建築物解体工事共通仕様書はどこで見られますか?

国土交通省の官庁営繕の技術基準のページで、PDFが公開されています。

民間の解体工事でも、この共通仕様書を使いますか?

この共通仕様書は官庁施設等の解体工事を想定したものです。民間の工事で使うかどうかは、発注者と業者さんの取り決め次第なので、契約の前に確かめてください。

解体工事標準仕様書と解体工事共通仕様書は違うものですか?

呼び方は発注者によって違います。国土交通省の官庁営繕では「建築物解体工事共通仕様書」という名前です。手元の文書は、表紙で定めた発注者と版を確かめてください。

まとめ

この記事の要点
  • 建築物解体工事共通仕様書は、国土交通省の官庁営繕が定める解体工事の共通の仕様
  • 2026年10月時点で確認できた版は令和4年版
  • 解体工事の仕様書で決めることは、事前調査、分別と処分、近隣と安全の3つで考える
  • その建物ならではの事情は、特記仕様書や書面にまとめる
仕様書ドットコム

仕様書ドットコム 編集部

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