仕様書の言い換え・類語|スペック・仕様・規格・説明書との違い

仕様書の言い換えと類語の違いを解説する記事のアイキャッチ。机に並んだ仕様書と説明書と表

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資料を作っていて『仕様書って、ほかの言葉に言い換えられないかな?』と迷うこと、ありますよね。スペックや規格、説明書など、似た言葉が多いのも悩みどころです。

結論から言うと、仕様書は「作る物や頼む物の条件を決めて書いた文書」で、相手や場面によって「要件書」「スペックシート」などに言い換えられます。ただ、規格書や取扱説明書とは役割が違うので、入れかえると誤解されることもあるんです。

この記事を読めば、仕様の意味と、似た言葉との違い、場面に合う言い換えが分かります。

目次

「仕様」の意味をまず押さえる

先に結論

仕様とは、作る物や頼む物について「こうする」と決めた中身のことです。仕様書は、その決めた中身を書き表した文書です。

仕様という言葉は、仕事の書類だけでなく、ふだんの会話にもよく出てきますよね。「クリスマス仕様のネイル」「それはこのアプリの仕様です」のような使い方です。

どの使い方でも、共通しているのは「あらかじめそう決められている作りや中身」という意味です。クリスマス仕様なら、クリスマスに合わせて作られた中身、ということですね。

使い方例意味
仕事の書類仕様を決める、仕様書を書く作る物の条件を決めること
〇〇仕様冬仕様のタイヤ、限定仕様特定の目的に合わせた作り
「仕様です」「その動きは仕様です」不具合ではなく、そう作られているということ

「それは仕様です」と言われた時の意味

アプリや機械について問い合わせた時、『それは仕様です』と返されてもやもやした経験はありませんか。これは「故障や不具合ではなく、最初からそう作られている」という意味なんです。

作る側の仕様書に書いてある動きなので、直すかどうかは別の話になります。使う側から見て不便なら、要望として伝えるのが近道です。

仕様書の言い換え・類語を3つに分けて比べる

ここが大事

仕様書に似た言葉は、「決める物(仕様・規格)」「書いた物(仕様書・説明書)」「数字の一覧(スペック)」の3つに分けると違いがすっきりします。

似た言葉が多くて混乱するのは、それぞれ「中身」なのか「文書」なのか「数字」なのかが違うからなんです。編集部が3つのグループに分けて比べてみました。

グループ言葉意味言い換えに使えるか
決める物仕様作る物の決めごと仕様書の中身を指す時に使える
決める物規格多くの人が共通で使う取り決め仕様書の代わりには使わない
決める物要件満たすべき条件システム開発なら近い意味で使える
書いた物仕様書決めた仕様を書いた文書元の言葉
書いた物規格書(規格票)規格を書いた文書別の文書なので使わない
書いた物説明書・取扱説明書使い方を説明した文書別の文書なので使わない
書いた物要件定義書・設計書開発の各段階の文書中身が合えば使える
数字の一覧スペック・スペック表性能や寸法の数字の一覧製品の数値の一覧なら使える
仕様書の類語を、決める物・書いた物・数字の一覧の3つのグループに分けて並べた比較の図解

場面別の言い換えの例

実際に言い換える時は、相手と場面で選ぶのがコツです。

場面言い換えの例ひと言
システム開発の打ち合わせ要件定義書、機能仕様書、設計書どの段階の文書かをはっきりさせる
製品の紹介スペック表、製品仕様、主な仕様数字の一覧なら伝わりやすい
発注や見積もり発注仕様書、依頼内容、要求事項頼む中身を書いた文書だと伝わる
工事標準仕様書、特記仕様書決まった名前があるので言い換えない
英語でのやり取りspecification、spec正式な書類は略さない

工事の仕様書のように、正式な名前が決まっている書類は言い換えないのが安全です。英語での言い方は仕様書は英語で何という?で紹介しています。

スペックと仕様の違い

ここでの結論

スペックは英語の specification を略した言葉で、日本語では主に「性能や寸法などの数字」を指します。仕様はもっと広く、数字にならない決めごとも含みます。

『スペックと仕様って、同じ意味じゃないの?』と思う方も多いですよね。もとは同じ英語の言葉から来ていますが、日本語での使われ方が少し違うんです。

例えばパソコンのスペックと言えば、処理の速さやメモリの量など、数字で比べられる項目を思い浮かべますよね。一方で仕様には、色や形、操作の手順、使える条件のように、数字にならない決めごとも入ります。

スペック
  • 性能や寸法など数字で表せる項目
  • 製品どうしを比べる時に使う
  • 会話でくだけた言い方として使う
仕様
  • 数字にならない決めごとも含む
  • 作る物の条件全体を指す
  • 書類や契約でも使う正式な言い方

スペック表と仕様書の違い

スペック表は、製品の数値を1枚の表にまとめたものです。仕様書は、その数値に加えて、使い方の条件や検査の方法、決めた理由などまで書くことがあります。

スペック表は仕様書の一部、と考えると分かりやすいでしょう。製品の仕様書の項目は製品仕様書とは?書く項目と書き方・英語の言い方で紹介しています。

仕様書を開発の文書名に言い換える時

システム開発では、「仕様書を見せて」と言われても、どの段階の文書のことか分からないことがありますよね。要件定義書なのか、基本設計書なのか、機能仕様書なのかで、中身がまったく違うからです。

そんな時は、「何ができればよいか」の文書なら要件定義書、「画面や帳票をどう作るか」の文書なら基本設計書、と言い換えてから話を進めるとすれ違いが減ります。業界ごとの仕様書の種類は、仕様書の種類一覧で紹介しています。

仕様書と規格書・説明書・取扱説明書の違い

ここでの結論

規格書は多くの人が共通で使う取り決めを書いた文書、説明書や取扱説明書は使う人に向けた案内の文書です。仕様書は、特定の物を作る・頼むための条件を書いた文書なので、役割が違います。

ここが言い換えで一番まちがえやすいところです。『説明書も仕様が書いてあるから、仕様書と同じじゃないの?』と思いますよね。違いは、誰に向けて何のために書いたか、なんです。

文書誰に向けた文書か何のための文書か
仕様書作る人・頼む人作る物の条件を決めて共有する
規格書(規格票)同じ分野の多くの人共通のルールをそろえる
説明書・取扱説明書使う人正しく安全に使ってもらう

仕様書と規格書の違い

規格は、多くの人や会社が共通で使う取り決めです。日本産業規格(JIS)は、産業標準化法にもとづく規格です。

規格を書いた文書の作り方は、JIS Z 8301:2019 で決められています。この規格は、JISなどの規格票の構成と作り方を定めたもので、規格に準じる文書にも使えるとされています。

仕様書は、規格を「引用して使う側」になることが多い文書です。例えば国土交通省の公共建築工事標準仕様書(建築工事編)では、用語の定義でJIS(日本産業規格)とJAS(日本農林規格)を挙げ、規格を引きながら条件を決める作りになっています。

同じ標準仕様書では、鉄骨の製作精度について、日本建築学会のJASS 6(鉄骨工事)の付則によると書かれています。このように仕様書は、ほかの規格や標準仕様書を「ものさし」として名指しで引くことが多いんです。

仕様書と規格書は「引く・引かれる」の関係

規格書は、みんなで使う共通のものさしです。仕様書は、そのものさしを使いながら、自分たちが作る物の条件を決める文書です。仕様書に「JIS〇〇による」と書くのは、このためです。

仕様書と説明書・取扱説明書の違い

取扱説明書は、買った人や使う人に向けて、使い方や注意点を説明する文書です。仕様書は、作る人や頼む人に向けて、作る物の条件を決める文書です。

取扱説明書の最後に「仕様」という表がついていることはよくありますよね。あれは、製品の主な数字を使う人向けに抜き出したもので、仕様書そのものではありません。

作る側の社内には、取扱説明書よりずっと細かい仕様書があるのがふつうです。部品の寸法の許容差や検査の方法など、使う人には必要のない決めごとまで書かれています。

ですから、取扱説明書の「仕様」の表を見て仕様書と呼ぶのは避けておきましょう。社外向けの資料なら「主な仕様」「製品の主な仕様」と書くと、誤解がありません。

仕様の言葉でよくある相談

ここでの結論

相談で多いのは「〇〇仕様という言い方の意味」「それは仕様です、の意味」「要求仕様書と要件定義書の違い」です。どれも、仕様が「決められた中身」を指すと分かれば答えが見えてきます。

知恵袋には、仕様という言葉の意味についての相談がとても多く寄せられています。閲覧の多いものを要約してお答えしますね。

相談1:「クリスマス仕様」の仕様ってどういう意味?

「クリスマス仕様のネイルにした」のような言い方の、仕様の意味を知りたいという相談です。とても多く読まれていて、気になっている人が多いことが分かります。

この場合の仕様は「クリスマスに合わせた作り・デザイン」という意味です。もとの「決められた作りや中身」という意味から、特定のテーマに合わせた中身、という使い方に広がっています。

相談2:「それは仕様です」とはどういう意味?

ゲームやアプリで「仕様です」と言われることがあるけれど、どういう意味なのか、という相談です。

「これ、バグじゃないんですか?」
「いえ、最初からそう動くように作っているんです」

こういうやり取りの時に使う言葉です。作る側の仕様書でそう決めてある、という意味なので、変えてほしい時は要望として伝えてみてください。

相談3:要求仕様書と要件定義書は何が違う?

SEのヒアリングをもとに仕様書を作る時、要求仕様書と要件定義書の違いが分からない、という相談です。

要求仕様書は頼む側の希望を書いたもの、要件定義書はそれを整理して両者で合意したもの、と考えると区別しやすくなります。くわしくは要求仕様書とは?要件定義書との違いと書く項目で紹介しています。

言い換える前のチェック
  • 相手が作る人か、使う人か
  • 書類の中身が条件か、使い方か、数字か
  • 正式な名前が決まっている書類ではないか
  • 契約書や発注書の名前とそろっているか

言葉を正しく使い分けられる力は仕事で活きる

ここでの結論

仕様・規格・説明書を正しく使い分けられる人は、関係者の話を整理して文書にまとめる場面で頼りにされます。この力は、システム開発の要件定義の仕事とも共通しています。

言葉の使い分けは地味に見えますが、打ち合わせのすれ違いを減らす大事な力ですよね。システム開発の現場でも、要件と仕様と設計を言い分けられる人は重宝されるんです。

今の仕事で書類づくりの経験を積むのも、十分に価値のある道です。そのうえで、ITの仕事に興味がある方は、要件定義や設計を担当する求人の仕事内容をのぞいてみると、自分の力が活きる場所が見えてきますよ。

製品のスペック表と取扱説明書、仕様書のバインダーを机の上で並べて見比べている手元

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よくある質問

仕様書の言い換えには何がありますか?

場面によって、要件定義書、機能仕様書、設計書、スペック表、発注仕様書などに言い換えられます。ただ、工事の標準仕様書のように正式な名前がある書類は言い換えないのが安全です。

仕様の意味を簡単に言うと?

作る物や頼む物について「こうする」と決めた中身のことです。「〇〇仕様」は、特定の目的やテーマに合わせた作りを指します。

スペックと仕様は同じですか?

もとは同じ英語の言葉ですが、日本語のスペックは主に性能や寸法などの数字を指します。仕様は、数字にならない決めごとも含む広い言葉です。

仕様書と取扱説明書の違いは?

仕様書は作る人や頼む人に向けて作る物の条件を決める文書で、取扱説明書は使う人に向けて使い方を説明する文書です。取扱説明書の仕様の表は、主な数字を抜き出したものです。

仕様書と規格書の違いは?

規格書は多くの人が共通で使う取り決めを書いた文書で、仕様書は特定の物を作るための条件を書いた文書です。仕様書は、規格書を引用して条件を決めることがよくあります。

まとめ

この記事の要点
  • 仕様は「決めた中身」、仕様書はそれを書いた文書
  • 似た言葉は、決める物・書いた物・数字の一覧の3つに分けると分かりやすい
  • スペックは主に数字、仕様は数字にならない決めごとも含む
  • 規格書は共通のものさし、説明書は使う人向けの案内
  • 正式な名前がある書類は言い換えない
仕様書ドットコム

仕様書ドットコム 編集部

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