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海外の取引先とのメールや、英語で書かれた機器の資料を前にして『仕様書って英語で何て言うんだろう?』と手が止まること、ありますよね。
結論から言うと、仕様書の英語はspecification(スペシフィケーション)が基本です。会話やメールでは spec と短く言うこともよくあります。
この記事を読めば、要件定義書や設計書など書類ごとの英語名と略し方、英語で仕様書を書く時の言い回しが分かります。
仕様書は英語で specification が基本
仕様書は英語で specification です。複数の項目をまとめた文書を指す時は specifications と複数形で書くことも多く、会話では spec や specs と略します。
specification は「何かを細かく、はっきり決めて書き表したもの」という意味の言葉です。英語の辞書(Merriam-Webster)でも、何かやその計画を細かく正確に示したもの、と説明され、ふつうは複数形で使うとされています。
ソフトウェアやシステムの用語をまとめた国際規格 ISO/IEC/IEEE 24765:2010 にも、specification の定義が載っています。システム、部品、製品、サービスなどの要件や設計、ふるまいを、完全で正確に、確かめられる形で決める文書、という内容です。
同じ規格には、例として requirement specification、design specification、product specification、test specification が挙げられています。つまり英語でも「仕様書」は一つの書類名ではなく、いろいろな文書の総称なんです。
| 英語 | 読み方 | 使う場面 |
|---|---|---|
| specification | スペシフィケーション | 文書名・正式な書類 |
| specifications | スペシフィケーションズ | 項目の一覧をまとめた文書・契約書類 |
| spec / specs | スペック/スペックス | 会話・メール・社内のやり取り |
| spec sheet | スペックシート | 製品の数値をまとめた1枚ものの資料 |
仕様書の英語の略は spec
仕様書の英語を略すなら、spec がいちばんよく使われます。日本語の「スペック」も、ここから来た言葉ですね。
ただ、spec は会話向きの言い方です。契約書や納品物の表紙に書く時は、略さずに specification と書いておくと誤解がありません。
「Could you send me the latest spec?」
「Sure. I’ll send the specification document today.」
こんなふうに、話す時は spec、送る書類の名前は specification、と分けると自然です。
文書の略称として使われる SRS など
書類名を頭文字で略すこともあります。代表的なのが、ソフトウェア要求仕様書の SRS(Software Requirements Specification)です。
『SRSって見たことあるけど、何の略?』という方も多いはずです。IEEE 830-1998 という規格の名前にも Software Requirements Specifications が入っていて、良い要求仕様書の中身とアウトライン例を示しています。
SRS のような略語は、相手の会社や業界で通じないこともあります。文書の最初に「Software Requirements Specification (SRS)」と正式名を一度書いてから、以降を略語にすると親切です。
書類ごとの英語名を「正式名・略し方・使う場面」で一覧にする
仕様書と一口に言っても、英語では書類ごとに呼び方が変わります。正式名、略し方、使う場面の3つをセットで覚えると、メールでも会議でも迷いません。
日本語の「〇〇書」を英語にする時、いちばん困るのは「どの言葉を当てればいいか」ですよね。編集部が、よく出てくる書類を一覧にまとめました。
正式名は規格や公的な資料で使われている言い方を中心にしています。日本独自の書類は、英語圏で決まった言い方がないものもあるので、その場合は説明を添える形にしています。
| 日本語の書類名 | 正式名(英語) | 略し方 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 仕様書 | specification | spec | 総称。どの業界でも使う |
| 要件定義書 | requirements specification | 特になし | システム開発の最初の文書 |
| 要求仕様書(ソフトウェア) | software requirements specification | SRS | 規格に沿った要求の文書 |
| 機能仕様書 | functional specification | 特になし | 機能の一覧と動きを書く |
| 設計書 | design document / design specification | 特になし | IT・機械の設計の文書 |
| 詳細設計書 | detailed design specification | 特になし | プログラムの作り方を書く |
| テスト仕様書 | test specification | 特になし | テストの項目と手順 |
| 製品仕様書 | product specification | spec sheet | 製品の性能・寸法の資料 |
| 提案依頼書 | Request For Proposal | RFP | 発注先に提案を頼む文書 |
| 標準仕様書 | standard specifications | 特になし | 工事などで共通に使う仕様 |
| 取扱説明書 | instruction manual / user manual | manual | 使う人向けの説明書 |

要件定義書の英語は requirements specification
要件定義書の英語は、requirements specification と言うのが一般的です。要件(requirement)が複数並ぶので、requirements と複数形にするのがポイントです。
ISO/IEC/IEEE 24765:2010 では、requirements specification を「システムや部品の要件を決める文書」と定めています。中身には機能の要求、性能の要求、インタフェースの要求などが入るとされています。
日本の規格では、JIS X 0166:2021 が要求エンジニアリングを扱っています。目次には、利害関係者の要件の仕様(StRS)、システムの要件の仕様(SyRS)、ソフトウェアの要件の仕様(SRS)が並んでいます。
要件定義書そのものの中身は、要件定義書とは?目的・書く内容・作る流れでくわしく紹介しています。
設計書の英語(IT)は design document
ITの設計書の英語は、design document や design specification が使われます。24765 では design description という言葉に、design document と design specification が同じ意味の言葉として載っています。
『じゃあ、基本設計書と詳細設計書はどう訳すの?』と迷いますよね。詳細設計書は、24765 で detailed design description の同じ意味の言葉として detailed design specification が挙げられています。
一方、日本の「基本設計」「詳細設計」という分け方に、ぴったり一対一で対応する英語の書類名は決まっていません。英語で渡す時は、書類名のあとに「画面と帳票の設計」「プログラム内部の設計」のように中身を一言添えておくと、相手が迷いません。
設計書の種類は設計書とは?システム開発の設計書の種類と役割でまとめています。
機能仕様書の英語は functional specification
機能仕様書は functional specification です。24765 では「システムや部品が果たすべき機能を決める文書」とされ、要求仕様の一部になることが多いと補足されています。
「機能仕様書」「機能設計書」と呼び名が会社ごとに違っても、英語では functional specification でまず通じます。
製品仕様書の英語は product specification
製品仕様書は product specification です。部品や機器の場合は、性能や寸法、使える条件を表にまとめた資料を datasheet(データシート)や spec sheet と呼ぶこともあります。
製品仕様書を英語で作る時は、日本語版と英語版で数値や単位がずれないように、一つの表から両方を作るのが安心です。
標準仕様書・発注仕様書の英語
工事の標準仕様書は、standard specifications と複数形で書かれることが多い言葉です。ただ、国土交通省の公共建築工事標準仕様書について、公式の英語名を編集部では確認できませんでした。
英語で説明する時は、名称を日本語のローマ字か原文のまま書き、「the standard specifications for public building construction in Japan」のように中身を説明する形が安全です。
発注仕様書は、procurement specification や purchase specification と説明すると伝わります。提案を募る文書なら RFP です。デジタル庁の標準ガイドライン群用語集でも、RFP は提案依頼書のことで、Request For Proposal の略と説明されています。
英語で仕様書を書く時の書き方:shall・should・may を使い分ける
英語の仕様書では、「しなければならない」は shall、「望ましい」は should、「してもよい」は may と、助動詞で約束の強さを分けます。日本語の仕様書でも同じ考え方が使えます。
英語で仕様書を書く時、いちばん大事なのが助動詞の使い分けです。ここがあいまいだと、相手は「必須なのか、できればでいいのか」が分からなくなってしまうんです。
日本の規格の書き方を決めた JIS Z 8301:2019 には、日本語の言い回しと英語の助動詞の対応が示されています。これがそのまま、英語の仕様書を書く時の目安になります。
| 意味 | 英語 | 日本語の言い回し(JIS Z 8301) |
|---|---|---|
| 要求 | shall | …しなければならない/…する/…とする |
| 禁止 | shall not | …してはならない |
| 推奨 | should | …することが望ましい |
| 許容 | may | …してもよい |
| 不必要 | need not | …する必要がない |
| 可能性・能力 | can | …可能性がある |
同じ規格では、「…すべきである」は使わない、とされています。英語に直す時に should か shall か迷う言い方は、最初から避けておくのがコツです。
確かめられる書き方にする
JIS Z 8301 の一般原則には、要求は客観的に確かめられるものだけを書き、「十分に強い」のような表現を使わない、という考え方があります。英語でも同じで、sufficient や fast のような言葉だけでは相手によって受け取り方が変わります。
例えば「The system shall respond quickly.」より、「The system shall display the search results within (秒数) seconds.」のように、確かめられる条件を書きましょう。数字は自分たちのシステムの値を入れます。
条件と動きを分けて書く型
要件を英語で書く型の一つに、EARS 記法と呼ばれる書き方があります。「WHEN(条件) THE SYSTEM SHALL(ふるまい)」のように、いつ、何をするかを分けて書く型です。
「WHEN the user presses the Save button, THE SYSTEM SHALL save the input data.」
こう書くと、条件とふるまいが一文で分かれるので、テストの項目も作りやすくなります。
- 必須の要求は shall、望ましいことは should に分けた
- 「すべき」のようなあいまいな言い方を使っていない
- quickly や enough だけで終わる文がない
- 略語は最初に正式名を書いた
- 日本語版と英語版の数値と単位がそろっている
英語の仕様書テンプレートと目次の考え方
英語の仕様書のテンプレートは、規格の目次を土台にすると作りやすくなります。製品仕様書なら、概要・範囲・仕様・条件・改訂履歴の順にそろえるのが基本の形です。
『英語の仕様書のテンプレートがほしい』と探している方もいますよね。システムの要求仕様書なら、IEEE 830-1998 が SRS のアウトライン例を示しています。
ただ、IEEE 830-1998 は後継の ISO/IEC/IEEE 29148 に置き換えられ、その 29148 もさらに 29148:2018 に改められています。日本語では、29148:2018 に対応する JIS X 0166:2021 が出ています。古い版の目次を使う時は、今の版がどれかを確かめておきましょう。
製品仕様書の英語テンプレート(編集部の例)
次の表は、編集部が作った製品仕様書の英語の見出しの例です。実在の会社の書式ではなく、項目の並べ方の参考にしてください。
| 日本語の見出し | 英語の見出しの例 | 書く中身 |
|---|---|---|
| 概要 | Overview | 製品が何をするものか |
| 適用範囲 | Scope | この仕様書が対象にする型や用途 |
| 仕様 | Specifications | 性能・寸法・重さなどの一覧 |
| 使用条件 | Operating Conditions | 温度・電源など使える条件 |
| 外観・寸法図 | Dimensions | 外形図と主な寸法 |
| 注意事項 | Precautions | 使い方の注意 |
| 改訂履歴 | Revision History | 版、日付、変更内容 |
この形は、日本語の製品仕様書を作る時にもそのまま使えます。製品仕様書の項目は製品仕様書とは?書く項目と書き方・英語の言い方でも紹介しています。
システムの仕様書を英語で作る時
システムの仕様書を英語にする時は、日本語の書類の分け方をそのまま持ち込まないのがコツです。英語圏の相手は、要件(requirements)、設計(design)、テスト(test)の3つで文書を分けて考えることが多いからです。
- 日本語の書類名ごとに、英語でどの文書に当たるかを決める
- 略語と用語の対応表を最初のページに作る
- 必須と推奨を shall と should に置きかえる
- 数値・単位・画面の名前を表から書き写す
- 相手に読んでもらい、伝わらなかった所を直す
英語の仕様書を読む時のコツ
英語の仕様書は、全部を訳そうとしなくて大丈夫です。表の見出し、単位、条件の3つを先に押さえると、必要な数字がすぐ見つかります。
英語の仕様書を渡されると、最初から一文ずつ訳したくなりますよね。でも実は、仕様書は文章より表が中心の書類なんです。
製品の仕様書なら、知りたい数字はたいてい表の中にあります。まず表の見出しを訳して、どの列に何が書いてあるかをつかみましょう。
よく出てくる言葉の早見表
| 英語 | 意味 | 読む時のポイント |
|---|---|---|
| rated | 定格の | 決められた条件での値 |
| typical / typ. | 標準的な値 | 保証された値とは限らない |
| min. / max. | 最小/最大 | 範囲の端の値 |
| condition | 条件 | 数字がどの条件の値か |
| input / output | 入力/出力 | 向きを取り違えない |
| power consumption | 消費電力 | 条件の欄とセットで読む |
| tolerance | 許容差 | 寸法などのずれてよい幅 |
| shall | しなければならない | 必須の要求 |
条件の欄を読み飛ばさない
英語の仕様書でよくあるのが、数字のすぐ近くに condition(条件)が書いてあるパターンです。同じ消費電力でも、どんな条件で測った値かで意味が変わります。
typical の値を「保証された値」と思い込んで設計や発注を進めてしまう失敗です。最小・最大の欄と条件の欄も一緒に確かめておきましょう。
分からない単語は、翻訳の道具で調べてもかまいません。ただ、数字と単位は機械で訳すとずれることがあるので、元の英語の表と見比べるようにしてください。
仕様書の英語でよくある相談
相談で多いのは「英語の仕様書が読めない」「仕事で英語の仕様書を読めと言われた」「IT用語の英訳を調べたい」の3つです。どれも、表と用語の対応表から始めると前に進めます。
ここでは、知恵袋でよく読まれている相談を、内容をまとめた形で紹介します。
相談1:海外の機器を入れる工事で、仕様書が全部英語で分からない
電気工事で海外の機器を入れることになったけれど、仕様書が英語ばかりで電気まわりが読めない、という相談です。とても多く読まれていて、同じ悩みの人が多いことが分かります。
まずは電源の条件(電圧・周波数・相)と、消費電力、配線の指定の3つを表から探してみてください。分からない所は、機器の販売元に日本語の資料があるか問い合わせるのも一つの方法です。
施工の判断に関わる所は、自分の訳だけで決めないことが大切です。発注者や機器の販売元に確認した内容を、記録に残しておきましょう。
相談2:会社で英語の仕様書の原文を読めと言われたけれど、英語が苦手
『英語は学生の時から苦手なのに…』という声、よく分かります。この相談も、仕事で急に英語の資料を任された人の悩みです。
仕様書の英語は、日常会話より決まった言い方が多いので、実は慣れやすいんです。shall、should、may の意味と、表の見出しの単語を覚えるだけで、読める範囲がぐっと広がります。
最初は自分用の用語メモを作りましょう。同じ文書の中では同じ言葉が何度も出てくるので、メモが増えるほど読む速さが上がります。
相談3:DBやプログラム設計書のIT用語の英訳を調べたい
設計書の項目名や変数名を英語で付けたいので、コンピュータ用語の英訳を調べる方法を知りたい、という相談です。
ITの用語は、会社やチームの中で英訳をそろえておくことが大切です。最初に「用語の対応表」を作り、テーブル名や項目名はその表から選ぶようにすると、後から名前がばらつきません。
規格の用語を確かめたい時は、ISO/IEC/IEEE 24765 のような用語の規格が手がかりになります。テーブル定義の書き方は、テーブル定義書・データベース設計書の書き方で紹介しています。
英語で仕様書を扱える力は仕事の幅を広げる
英語の仕様書を読み書きできる力は、海外の取引先とやり取りする開発の現場や、外国製の製品を扱う職場で頼りにされます。今の仕事で少しずつ経験を積むのも、十分な一歩です。
英語の仕様書を読める人がいるだけで、チームの仕事はかなり進めやすくなりますよね。要件定義書や設計書を英語でやり取りする場面は、システム開発の現場でも出てきます。
もちろん、今の職場で英語の資料に少しずつ慣れていくのも立派な道です。そのうえで、要件定義や設計を任される仕事に進みたい方は、求人の仕事内容で「どの工程を担当するか」を比べてみると、次の道が見えてきますよ。

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仕様書を書く経験を活かせる職場を探すなら、求人も比べてみる
要件定義や設計を任されるか、発注側か開発側か、扱うシステムや働き方は会社によって大きく違います。担当したい工程や条件から、IT・Webエンジニアの求人を比べてみてください。
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よくある質問
仕様書は英語で何と言いますか?
specification(スペシフィケーション)です。項目をまとめた文書は specifications と複数形で書くことも多く、会話では spec と略します。
仕様書の英語の略し方は?
一般的な略は spec です。ソフトウェアの要求仕様書は SRS(Software Requirements Specification)と頭文字で略すこともあります。正式な書類名は略さずに書くと安心です。
要件定義書と設計書の英語は?
要件定義書は requirements specification、設計書は design document や design specification です。日本の基本設計・詳細設計の分け方に一対一で合う英語はないので、中身を一言添えると伝わります。
英語の仕様書で shall と should はどう違いますか?
shall は「しなければならない」という必須の要求、should は「することが望ましい」という推奨です。JIS Z 8301 でも、日本語の言い回しとこの英語の対応が示されています。
標準仕様書の英語は?
standard specifications と複数形で書かれることが多い言葉です。公共建築工事標準仕様書の公式の英語名は確認できなかったので、英語で説明する時は名称と中身を添えるのが安全です。
まとめ
- 仕様書の英語は specification、略すと spec
- 要件定義書は requirements specification、設計書は design document
- 機能仕様書は functional specification、製品仕様書は product specification
- 英語の仕様書は shall・should・may で約束の強さを分ける
- 英語の仕様書を読む時は、表の見出し・単位・条件から押さえる





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