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家づくりの打合せで『省令準耐火にしますか?』と聞かれて、何がどう変わるのか分からず迷っている方も多いはずです。火災保険の話と一緒に出てくることも多いですよね。
結論から言うと、省令準耐火構造は住宅金融支援機構が定める仕様に合わせて建てた、火に強い住宅のことです。どんな仕様で建てるかは、機構の仕様書面と、その家の仕様書で確かめます。
この記事を読めば、省令準耐火の考え方と、仕様書で確かめるポイントが分かります。
省令準耐火構造とは?
省令準耐火構造とは、建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に合う住宅のことです。建築基準法の準耐火構造とは別のものなんです。
省令準耐火構造は、名前に「準耐火」と入っているので、建築基準法の準耐火構造と同じものだと思われがちです。でも実は、機構が定める基準に合う住宅のことを指しています。
機構の説明では、省令準耐火構造の住宅は次の3つのいずれかです。
- 機構の定める仕様に基づいて建てた、木造軸組工法の住宅または枠組壁工法(2×4)の住宅
- 省令準耐火構造として機構が承認したプレハブ住宅
- 省令準耐火構造として機構が承認した住宅または工法
建築基準法の準耐火構造とはどう違う?
『準耐火構造と省令準耐火構造、どっちがいいの?』という疑問もよく見かけます。まず押さえたいのは、根拠になっている決まりが違うことです。
- 建築基準法で定められた構造
- 建築基準法の準耐火建築物に関わる
- 法律上の区分として扱われる
- 住宅金融支援機構が定める基準に合う住宅
- 建築基準法の準耐火構造には当たらない
- フラット35等では準耐火構造の住宅として扱う
機構のQ&Aでも、省令準耐火構造は「建築基準法の準耐火構造には該当しません」と書かれています。どちらが良い悪いではなく、使われる場面が違うと考えておくと混乱しませんね。
いつからある仕組み?
枠組壁工法では、昭和57年に基準が定められました。当初の名前は「省令簡易耐火構造」だったそうです。
木造軸組工法は、平成17年から個別に承認され、平成21年に基準が定められています。ツーバイフォーのほうが歴史が長いんですね。
ツーバイフォーの住宅で使う仕様書については、枠組壁工法住宅工事仕様書(ツーバイフォー)とはで紹介しています。
3つの観点で見る省令準耐火の考え方
機構は省令準耐火構造の特徴を3つにまとめています。「外からのもらい火を防ぐ」「部屋から火を出さない」「他の部屋へ燃え移りにくくする」の3つです。
省令準耐火の仕様は細かいので、まずは考え方の全体をつかむのがおすすめです。機構が挙げている3つの特徴を、編集部で表にまとめました。
| 観点 | 機構の言い方 | 主な仕様の例 | 仕様書で見る所 |
|---|---|---|---|
| 外からのもらい火 | 隣家などから火をもらわない(外部からの延焼防止) | 屋根を不燃材料で葺く、外壁と軒裏を建築基準法の防火構造にする | 屋根材と外壁・軒裏の仕様 |
| 部屋から燃え広がらない | 火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない(各室防火) | 各室を区画する構造、室内の壁・天井に火に強いせっこうボード | 部屋ごとの壁・天井の仕上げと下地 |
| 他の部屋へ燃え移りにくい | 万が一部屋から火が出ても延焼を遅らせる(他室への延焼遅延) | 壁や天井の内部の要所に、木材や断熱材のファイヤーストップ材を設ける | ファイヤーストップ材を入れる位置 |

3つの観点で見ると、抜けが分かる
例えば、外壁の仕上げを変えたいという話が出たとします。その時は「外からのもらい火」の観点で、外壁が防火構造の条件を満たしているかを見ればいいんです。
「外壁の一部を板張りにしたいんですが」
「省令準耐火の仕様に合うかどうか、仕様書面で確かめてみますね」
こんなふうに、どの観点の話かが分かると、確かめる場所もすぐに見つかります。
内装の話なら「部屋から燃え広がらない」の観点です。例えば、部屋の天井を別の仕上げに変えたい時は、壁や天井に使うせっこうボードの仕様が変わらないかを見ておきます。
壁や天井の中の話なら「他の部屋へ燃え移りにくい」の観点です。ファイヤーストップ材は仕上げてしまうと見えなくなるので、工事の途中で写真を残してもらうよう頼んでおくと安心ですね。
同じ「火に強い家」の話でも、住宅性能表示制度の「火災時の安全」は別の制度の分野です。どの制度の話をしているのかを、打合せのたびに確かめておくと混乱しません。
省令準耐火の仕様書で確かめるポイント
省令準耐火の仕様書で見るべきは、最新の仕様書面の版、工法、そして3つの観点ごとの仕様です。設計の途中で仕様を変える時は、もう一度この3つを確かめましょう。
省令準耐火の仕様は、機構が「機構の定める省令準耐火構造の仕様」としてまとめています。2026年10月時点で確認できた最新の書面は、木造軸組工法用と枠組壁工法用それぞれの2026年4月の版です。
仕様の改正と最新資料
機構は、2023年4月1日に仕様を改正しています。2023年4月1日以降に物件検査を申請するものから適用されています。
また、令和6年10月以後の設計検査申請分からは、防火被覆を貫通して設備器具を取り付ける場合の措置も確かめるようになりました。ただし、基準そのものの変更はないと案内されています。
- 使っている仕様書面の版(2026年4月の版など)を確かめる
- 木造軸組工法用か枠組壁工法用かを確かめる
- 屋根・外壁・軒裏の仕様を確かめる
- 部屋ごとの壁・天井の仕上げと下地を確かめる
- ファイヤーストップ材を入れる位置を確かめる
- 照明やコンセントなど、防火被覆を貫通する所の措置を確かめる
住宅工事仕様書との関係
フラット35の住宅工事仕様書には、省令準耐火構造の基準のように、フラット35の技術基準に関わる仕様が含まれています。住宅会社の独自の仕様書がこうした基準に合っているかを、機構が確認する業務もあります。
住宅工事仕様書のくわしい使い方は、フラット35の木造住宅工事仕様書とはで紹介しています。
打合せで聞いておきたいこと
『専門的すぎて、何を聞けばいいか分からない』という方もいますよね。施主の立場なら、細かい仕様を覚えるより、確かめた書類を見せてもらうほうが近道なんです。
「省令準耐火の仕様は、どの書面に合わせていますか?」
「機構の仕様の2026年4月の版です。この家の仕様書のこのページに反映しています」
こんなやり取りができれば、あとで保険会社に書類を出す時も慌てずにすみます。家の仕様書全体の見方は、住宅(家)の仕様書とはでまとめています。

着工してから省令準耐火にしたいと言い出すケースです。屋根や外壁、壁や天井の中の仕様に関わるので、仕様が決まる設計の段階で相談しておくのが安心です。
フラット35・火災保険との関係
フラット35を使うからといって、省令準耐火構造にする必要はありません。火災保険の扱いは保険会社ごとに違うので、加入する保険会社に確かめるのが基本です。
フラット35では必須ではない
『フラット35を使うなら、省令準耐火にしないといけないの?』と心配な方もいますよね。機構のQ&Aでは、フラット35を利用する場合でも、省令準耐火構造の住宅にしなければならないわけではないとしています。
融資の対象になる住宅は、耐火構造、準耐火構造(省令準耐火構造を含む)、耐久性に関する基準に適合する住宅のいずれかです。
火災保険の構造級別
日本損害保険協会のQ&Aでは、火災保険の構造級別は「建物の種類」と「建物の性能」から判断すると説明しています。住宅の構造級別は、保険料が安い順にM構造、T構造、H構造のイメージです。
T構造の例として、省令準耐火建物に当たるツーバイフォー住宅などが挙げられています。実際の扱いは保険会社によって違うので、見積もりの時に確かめてみてください。
| 確かめたいこと | 確かめる先 |
|---|---|
| 省令準耐火の仕様に合っているか | 設計者・施工会社、その家の仕様書 |
| 火災保険でどう扱われるか | 加入を考えている保険会社 |
| フラット35の要件に合うか | 適合証明検査機関・金融機関 |
省令準耐火の仕様書でよくある相談
よくあるのは「建築確認の写しで証明できる?」「どれくらい費用がかかる?」「この仕様で省令準耐火になる?」の3つです。証明の書類、費用の見積もり、仕様の判断は、それぞれ確かめる相手が違います。
省令準耐火について、よく寄せられる相談を内容をまとめた形で紹介します。
相談1:火災保険の証明は、建築確認の写しでできる?
火災保険で省令準耐火構造を証明するのに、建築確認の写しが使えるか、という相談です。閲覧数がとても多く、保険の手続きで困っている方が多いことが分かります。
実は、機構は省令準耐火構造の証明書を発行していません。フラット35の適合証明書にも、省令準耐火構造かどうかは表示されないんです。
日本損害保険協会のQ&Aでは、省令準耐火建物かどうかは、設計仕様書や施工者・メーカーによる証明書類などで確認できるとしています。どの書類で受け付けるかは保険会社に聞き、必要なら施工会社に書類を頼んでおきましょう。
相談2:省令準耐火にすると、どれくらいコストがかかる?
省令準耐火構造にする費用を知りたい、という相談も多いです。費用は家の大きさや、もともとの仕様からどれだけ変わるかで違ってきます。
いちばん確かなのは、省令準耐火にする場合としない場合の両方で、施工会社に見積もりを出してもらうことです。火災保険の見積もりも並べて見ると、判断しやすくなりますよ。
相談3:この天井や壁の仕様で省令準耐火になる?
天井や内壁のボードの厚さが足りているか、吹き抜けや板張りの外壁でも大丈夫か、という相談もあります。図面だけを見て判断するのは難しいところです。
こうした細かい判断は、機構の定める仕様の書面と、その家の仕様書を突き合わせて確かめます。迷ったら、設計者や施工会社に「どの書面のどこに合わせているか」を聞いてみてください。
仕様を確かめる力は、ほかの仕事でも役に立つ
省令準耐火のように、基準の書面とその家の仕様書を突き合わせて確かめる作業は、仕様書を扱う仕事の基本そのものです。
基準と実物の違いを見つけ、関係者の要望を文書にまとめる力は、システム開発の要件定義や社内SEの仕事とも共通しています。住宅や建設の仕事で身につけた経験が、IT側で活きることもあるんです。
今の仕事で経験を積むのも、資格を取ってから考えるのも、どちらも大事な道です。ITの仕事に興味がある方は、求人の仕事内容を比べてみると道が見えてきますよ。
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よくある質問
省令準耐火構造とは何ですか?
建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に合う住宅のことです。建築基準法の準耐火構造には当たりません。
省令準耐火の仕様書はどこで確かめられますか?
機構の定める省令準耐火構造の仕様として、木造軸組工法用と枠組壁工法用の書面が出ています。2026年10月時点で確認できた最新は2026年4月の版です。
省令準耐火構造の証明書はもらえますか?
機構は省令準耐火構造の証明書を発行していません。火災保険で必要な時は、設計仕様書や施工者の証明書類などで受け付けてもらえるか、保険会社に確かめましょう。
フラット35を使うなら省令準耐火構造にする必要がありますか?
いいえ、省令準耐火構造にしなくても利用できます。融資の対象は、耐火構造、準耐火構造(省令準耐火構造を含む)、耐久性に関する基準に適合する住宅のいずれかです。
まとめ
- 省令準耐火構造は、住宅金融支援機構が定める基準に合う火に強い住宅
- 建築基準法の準耐火構造とは別のもの
- 考え方は、もらい火を防ぐ・部屋から出さない・燃え移りにくくするの3つ
- 仕様書では、書面の版・工法・3つの観点ごとの仕様を確かめる
- 火災保険の扱いと証明の書類は、保険会社に確かめる





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