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クロスの張り替えや床の貼り替えを頼む時、『仕様書って何を書けばいいの?』と手が止まる方も多いはずです。図面はあっても、仕上げの細かい所までは決めきれていないことがよくありますよね。
結論から言うと、内装工事の仕様書は床・壁・天井・建具の4つの部位ごとに「材料」「仕上げ」「色・品番」を書くだけで、ぐっと伝わりやすくなります。
この記事を読めば、記入表の作り方と、テンプレートを使う時に気をつける所が分かります。
内装工事の仕様書とは?図面だけでは足りない理由
内装工事の仕様書は、図面に描ききれない材料や仕上げの程度、施工の決まりを文章や表で書いたものです。図面と仕様書がそろって、はじめて「何をどう仕上げるか」が伝わります。
住宅金融支援機構は、住宅工事仕様書を「設計図面に表せない内容を文章で書き表したもの」と説明しています。内装も同じ考え方です。
例えば図面に「普通合板」と書いてあっても、どのくらいの間隔でくぎを打つかまでは分かりません。機構の資料では、こうした留め付けの決まりを仕様書側に書く例が紹介されています。
| 書く場所 | 内装工事で書く主な内容 | 例 |
|---|---|---|
| 図面 | どこに何を張るか、寸法、範囲 | 洋室の壁に合板、天井高さ |
| 仕様書 | 材料の種類、仕上げの程度、施工の決まり | 留め付けの間隔、下地処理の方法 |
| 仕上げ表 | 部屋ごと・部位ごとの材料と色 | 床はフローリング、壁はビニルクロス |
『図面があるなら、仕様書はなくてもいいのでは?』と思いますよね。ただ、図面だけだと業者さんごとに解釈が分かれ、仕上がりの差や追加費用の行き違いにつながりやすいんです。
仕様書全体の役割を先に知りたい方は、仕様書とは?意味と目的もあわせて読んでみてください。
床・壁・天井・建具を「材料・仕上げ・色と品番」で書く記入表
内装の仕様は、部位を縦に、書く項目を横に並べた表にまとめるのがおすすめです。空欄が「まだ決まっていない所」として目に見えるようになります。
ここが大事なところです。内装工事の仕様書は、文章で長く書くより、表の形にしたほうが抜けに気づきやすくなります。

編集部で作った架空の記入例です。6畳の洋室の内装を張り替えるケースを想定しています。
| 部位 | 材料 | 仕上げ・下地 | 色・品番 | 範囲・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 床 | 複合フローリング | 既存床の上に重ね張り | 明るい木目(品番は見本帳で指定) | 巾木も交換 |
| 壁 | ビニルクロス | 既存クロスをはがし、下地を補修 | 白系の織物調(品番を記入) | 4面すべて |
| 天井 | ビニルクロス | 既存クロスをはがして張り替え | 白(品番を記入) | 照明まわりは養生 |
| 建具 | 室内ドア | 既存枠を残して扉だけ交換 | 木目に合わせた色(品番を記入) | 取っ手の形も指定 |
「材料」の欄に書くこと
材料の欄には、フローリング、クッションフロア、ビニルクロス、塗装、せっこうボードなど、何を使うかを書きます。メーカー名を書く場合でも、「同等品でもよいか」を一言添えると業者さんが提案しやすくなります。
「仕上げ・下地」の欄に書くこと
内装でトラブルになりやすいのが、この欄なんです。既存の床や壁をはがすのか、上から重ねるのかで、手間も仕上がりも変わります。
下地の補修をどこまでするかも書いておきましょう。「下地の補修は必要な範囲で」とあいまいにすると、後から追加工事の話が出やすくなります。
「色・品番」の欄に書くこと
色は「白」だけでは足りません。同じ白でも色味や柄がいろいろあるので、見本帳の品番か、実物サンプルで決めた結果を書いておくと安心です。
『品番まで決めるのは大変そう…』と感じる方もいますよね。迷う所は「候補を2つまで」と書いておき、決める期限を添えるだけでも十分です。
内装工事の仕様書テンプレートを無料で使う時のコツ
内装工事の仕様書テンプレートは、無料で配られているひな形を使っても構いません。ただし、そのまま埋めるのではなく、自分の工事に合わせて項目を足し引きしてから使うのがコツです。
内装の仕様書テンプレートを探すと、ExcelやWordのひな形がいくつも見つかります。手早く形にしたい時には便利ですよね。
ただ、テンプレートは「よくある工事」に合わせて作られています。張り替えなのか新しく作るのか、住みながらの工事なのかで、必要な項目は変わってきます。
- 部位の行に、床・壁・天井・建具がそろっているか
- 「撤去」「下地補修」「処分」を書く欄があるか
- 色・品番の欄が部位ごとに分かれているか
- 工事の範囲(どの部屋の、どの面か)を書く欄があるか
- 変更があった時の日付と内容を残す欄があるか
テンプレートの見本の文言を消し忘れて、実際とは違う材料名が残ったまま渡してしまうケースです。業者さんはそのまま見積もるので、出てきた金額が比べられなくなります。
住みながらの工事やマンションで書き足すこと
住みながら工事をする時は、家具をどこへ動かすか、養生をどこまでするかも仕様書に書いておくと安心です。『家具は自分で動かすもの?』と迷う方も多いので、誰がやるかを一行で決めておきましょう。
マンションの場合は、管理規約で床材の条件や工事できる時間帯が決められていることがあります。管理組合への届け出に仕様書を添える場合もあるので、先に規約を読んでおくと書き直しが減ります。
| 書き足す項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 家具の移動 | 「家具の移動は施工側で行う」または「施主が事前に移動」 |
| 養生の範囲 | 「廊下と玄関の床を養生する」 |
| 作業の時間帯 | 「管理規約の時間内で作業する」 |
| 処分 | 「はがしたクロスと古い床材は施工側で処分」 |
テンプレートの選び方や、ExcelとWordの使い分けは仕様書のテンプレートで詳しく紹介しています。
内装工事の仕様書を書く手順
いきなり表を埋め始めるより、部屋の範囲を決めてから部位ごとに埋めていくほうが早く仕上がります。最後に業者さんと読み合わせをして、解釈のずれをつぶしておきましょう。
順番に進めれば、初めての方でも書けます。流れはこんな感じです。
- 工事する部屋と、触る面(床・壁・天井・建具)を決める
- 今の仕上げを写真に撮り、はがすか重ねるかを決める
- 部位ごとに材料・仕上げ・色と品番を記入表に書く
- 決まっていない所は空欄にせず「未定・決める期限」を書く
- 業者さんと読み合わせをして、解釈が違う所を直す
- 見積書・図面と一緒に、契約書に添付して保管する

読み合わせでは、例えばこんなやり取りをしておくと安心です。
「壁のクロスは、はがしてから張りますか?上から張りますか?」
「はがして張ります。下地が傷んでいたら、その場で写真を送って相談しますね」
住宅リフォーム推進協議会の標準契約書の解説では、契約時に見積書・設計図・仕様書などを添付するよう案内されています。工事中に変更が出たら、内容を書面やメールで残して契約書と一緒に保管しておきましょう。
公共建築の内装工事は標準仕様書を引く
官庁施設などの公共建築では、国土交通省の公共建築工事標準仕様書(建築工事編)が仕様の土台になります。内装は19章「内装工事」にまとめられています。
ここからは、施工管理や設計の仕事で内装を扱う方向けの話です。公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版は全23章で、内装まわりは主に次の章を引きます。
| 章 | 名称 | 内装工事との関わり |
|---|---|---|
| 12章 | 木工事 | 木下地(壁胴縁・野縁など) |
| 14章 | 金属工事 | 軽量鉄骨の天井下地・壁下地 |
| 16章 | 建具工事 | 室内の扉・枠 |
| 18章 | 塗装工事 | 壁・天井・木部の塗装 |
| 19章 | 内装工事 | 床・壁・天井の仕上げ、せっこうボード張り |
例えば19章の表19.7.2では、せっこうボードの留付け間隔が定められています。軽量鉄骨下地や木下地に小ねじ等で留める場合、天井は周辺部150mm程度・中間部200mm程度、壁は周辺部200mm程度・中間部300mm程度です。
現場で「ビスピッチ」と呼ばれる間隔ですが、本文の表記は「留付け間隔」なので、引く時はこの言葉で探してみてください。
標準仕様書の数値は、特記仕様書などに指定がない時の標準です。同書の1.1.1では、設計図書に違いがある時は質問回答書、現場説明書、特記仕様書、図面、標準仕様書の順に優先すると定めています。個別の工事では、特記仕様書と監督職員の指示で確かめましょう。
工事全体の仕様書のまとめ方は工事仕様書とは?書き方とテンプレートの使い方で紹介しています。
内装の仕様書でよくある相談
内装の仕様書の悩みは「仕様書どおりになっているか」と「どの仕様書を見ればいいか」の2つに集まりがちです。どちらも、仕様書を手元に持って照らし合わせるところから始まります。
知恵袋などでよく見かける相談を、要約して答えていきますね。
仕様書に書かれた材料と、実際の家の材料が違う気がする
『建ててから年数がたって、仕様書と中身が違うと気づいたけど、どうしたら?』という相談は、閲覧が多いテーマです。
まずは、契約時の仕様書・図面と、変更の記録が残っていないかを確かめてみてください。工事中に材料を変える場合は、双方の合意を書面に残すのが本来の流れです。
記録が見つからない時は、建てた会社に問い合わせて、変更の経緯を聞いてみましょう。
引き渡し前に、確定した図面や仕様書をもらえるか
『引き渡しが近いのに、確定の図面や仕様書を受け取っていない』という相談もあります。不安になりますよね。
仕様書は、後で修理やリフォームをする時にも頼りになる書類です。遠慮せずに「最終版の図面と仕様書を書面でください」と伝えてみてください。
公共建築の内装の塗装で、使える塗料の種類が分からない
設計や施工の担当の方からは、『木部にこの塗装を使ってもいいの?』という相談も見られます。まずは標準仕様書の18章「塗装工事」を引いて、該当する塗装の項を読んでみてください。
そのうえで、特記仕様書に指定がないか、監督職員と協議が必要かを確かめるのが近道です。
- 契約時の仕様書・図面・見積書
- 工事中の変更を記した書面やメール
- 気になる場所の写真
- 公共工事なら特記仕様書と質問回答書
内装の仕様を読み解いて、関係者の要望を文書にまとめる力は、システム開発の要件定義や社内SEの仕事とも共通しています。ITの仕事に興味がある方は、どんな求人があるかを眺めてみるのも一つです。
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よくある質問
内装工事の仕様書は、施主が自分で書くものですか?
決まりはありません。業者さんが作ることも多いですが、施主側で記入表を用意しておくと、見積もりの比べやすさが大きく変わります。
内装工事の仕様書テンプレートは無料のものでも大丈夫ですか?
大丈夫です。ただし見本の文言が残っていないかを確かめ、撤去や下地補修の欄を足してから使ってください。
色や品番が決まらないまま見積もりを頼んでもいいですか?
頼んでも構いません。その場合は「候補を2つまで」「決める期限」を書いておくと、業者さんが金額の幅を出しやすくなります。
公共建築の内装工事で、せっこうボードのビスの間隔はどこで調べますか?
公共建築工事標準仕様書(建築工事編)の19章「内装工事」で、ボードの留付け間隔の表を引いてみてください。本文では「ビスピッチ」ではなく「留付け間隔」と書かれています。特記仕様書に指定があれば、そちらが先です。
仕様書と違う仕上がりになったら、どうすればいいですか?
仕様書と写真を用意して、まず業者さんに伝えてみてください。工事中の変更の記録があるかどうかで話の進め方が変わるので、書面やメールを確かめておきましょう。
まとめ
- 内装工事の仕様書は、図面に描けない材料・仕上げ・施工の決まりを書く
- 床・壁・天井・建具ごとに材料・仕上げ・色と品番を表で書く
- 無料のテンプレートは、撤去・下地補修・範囲の欄を足して使う
- 決まっていない所は「未定・決める期限」を書く
- 公共建築では標準仕様書の19章「内装工事」と特記仕様書を引く





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