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仕様書を書くことになって、まずテンプレートを探してみたものの、Excelのもの、Wordのもの、項目も形式もばらばら。『結局どれを使えばいいの?』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、仕様書のテンプレートは「表で管理したいか、文章で説明したいか、変更の差分を追いたいか」で選ぶと失敗しません。ひな形は形から選ぶのではなく、使い方から選ぶのがコツです。
この記事を読めば、自分の仕様書に合うテンプレートの選び方と、ひな形を自社用に直す手順が分かります。
仕様書のテンプレートは「何を書くか」より「どう使うか」で選ぶ
仕様書のテンプレートには、決まった正解の形はありません。同じ内容でも、表にするか文章にするかで向くフォーマットが変わります。まずは自分の仕様書がどちら寄りかを考えてみましょう。
仕様書そのものの意味や役割は仕様書とは?意味と目的、設計書・要件定義書との違いでまとめています。ここでは、テンプレートの選び方と使い方に絞ってお話ししますね。
『ネットで見つけたテンプレをそのまま使えばいいんじゃないの?』と思いますよね。実は、テンプレートは「項目の抜けを防ぐ道具」で、中身まで合わせてくれるものではないんです。
例えば、画面の項目を一覧にしたい仕様書と、業務の流れを説明したい仕様書では、使いやすい形がまるで違います。だからこそ、形より先に「どう使うか」を決めておきたいんです。
テンプレートを使うと何がいい?
| テンプレートを使う良さ | 具体的には |
|---|---|
| 書く項目の抜けが減る | 目的・範囲・変更履歴などを書き忘れにくい |
| 読む人が迷わない | 毎回同じ場所に同じ情報があるので探しやすい |
| 書き始めが速い | 白紙から目次を考えなくていい |
| レビューしやすい | 項目ごとに確認すればいいので見落としが減る |
一方で、合わない項目まで無理に埋めようとすると、かえって読みにくくなります。使わない項目は「該当なし」と書くか、思い切って消してしまって大丈夫です。
Excel型・Word型・Markdown型の比べ方
仕様書のフォーマットは、大きく「表で管理するExcel型」「文章で書くWord型」「差分を追えるMarkdown型」の3つに分けて考えると選びやすくなります。どれが優れているかではなく、仕様書の中身に合うかで決めましょう。
『Excelとワード、仕様書はどっちで書くのが普通なの?』という疑問はとても多いです。そこで編集部では、3つの型の向き不向きを表にまとめてみました。
| 比べる所 | Excel型 | Word型 | Markdown型 |
|---|---|---|---|
| 得意な書き方 | 表・一覧・チェック欄 | 文章・説明・図の差し込み | 見出しと箇条書きの文章 |
| 向く仕様書 | 画面項目の一覧、テスト仕様書、テーブル定義 | 業務の説明、発注・調達の仕様書、要件のまとめ | 開発チームで直し続ける設計書・仕様書 |
| 変更の追いやすさ | シートが増えると追いにくい | 変更履歴の機能で追える | 変更の差分を1行ずつ追いやすい |
| 印刷・提出 | 印刷範囲の調整が必要 | そのまま印刷しやすい | 別の形式に書き出して渡すことが多い |
| 慣れていない人でも | 表の入力はしやすい | 文書作成ソフトに慣れた人が多い | 書き方を覚える手間が少しある |
表のとおり、一覧が中心ならExcel、説明が中心ならWord、何度も直すならMarkdownが向いています。1つの仕様書の中で、本文はWord、項目一覧は別紙のExcel、のように組み合わせるのもよくあるやり方です。

Excelの仕様書テンプレートが向くのはこんな時
Excelの仕様書テンプレートは、同じ形の行がたくさん並ぶ仕様書に向いています。画面の入力項目、テストケース、データの項目一覧などがその代表です。
並べ替えや絞り込みができるので、「この画面の必須項目だけ見たい」といった使い方もしやすいですよね。
エクセルで仕様書を作る時は、1行に1つの項目、1列に1つの情報を入れるのが基本です。シートは「表紙」「変更履歴」「本体」のように分けておくと、どこに何があるか迷いません。
- 1行目に列の名前を入れ、上に固定しておく
- 結合したセルは見出しだけにとどめる
- 選ぶだけの欄は入力の候補を決めておく
- 印刷する時の範囲と向きを先に決めておく
Wordの仕様書テンプレートが向くのはこんな時
Wordの仕様書テンプレートは、背景や目的、業務の流れを文章で説明したい時に向いています。見出しを付けておけば目次も自動で作れるので、ページ数の多い仕様書でも迷いにくくなります。
発注先や社外に提出する仕様書は、ワードの仕様書テンプレートで作って印刷やPDFで渡す、という場面が多いです。
Wordで作る時は、見出しに「見出し1」「見出し2」のような書式を当てておくのがコツです。これだけで目次が自動で作れて、章の入れ替えもしやすくなります。
複数の人で直す時は、変更履歴を記録する機能を使うと、誰がどこを変えたかが残ります。最後に清書する時に、履歴を反映し忘れないよう気をつけましょう。
Markdownの仕様書テンプレートが向くのはこんな時
Markdownは、見出しや箇条書きを記号で書くシンプルな書き方です。テキストなので、どこを変えたかを1行ずつ追いやすいのが強みです。
例えばMarkdownのひな形は、こんな形で見出しを並べておくだけで作れます。
| 書く記号 | 意味 | ひな形での使い方 |
|---|---|---|
| 行頭に「#」1つ | 大見出し | 文書名 |
| 行頭に「##」2つ | 中見出し | 目的・範囲・条件などの章 |
| 行頭に「-」 | 箇条書き | 含める物・含めない物の一覧 |
| 縦線で区切る | 表 | 変更履歴や項目一覧 |
見出しの並びさえ決めておけば、あとは中身を書き足していくだけです。Excelやワードのように書式を整える手間がほとんどないのも、Markdownのいい所なんです。
開発チームでコードと一緒に仕様書を管理したい時に向いています。書き方の基本は仕様書・設計書をMarkdownで書くで紹介しています。
どの仕様書にも使えるひな形の項目
業界や型が違っても、仕様書のひな形に入れておきたい項目はだいたい共通です。表紙・変更履歴・目的・範囲・条件・成果物・確かめ方の7つをそろえておくと、どんな仕様書にも流用しやすくなります。
ここでは、編集部が考えた「どの仕様書にも使える共通のひな形」を紹介しますね。ExcelでもWordでも、この順番で並べておくと使い回しやすくなります。
| 順番 | 項目 | 書く内容 | 記入例(社内の備品管理ツールの場合) |
|---|---|---|---|
| 1 | 表紙 | 文書名・版・日付・作成者 | 備品管理ツール 仕様書 第1.0版 |
| 2 | 変更履歴 | 版・日付・変えた所・理由 | 第1.0版 新規作成 |
| 3 | 目的 | 何のために作るか | 備品の貸し出し状況を誰でも確かめられるようにする |
| 4 | 範囲 | 含める物・含めない物 | 貸し出しと返却の記録は含める、購入の手続は含めない |
| 5 | 条件 | 守ってほしい決まり | 社内のパソコンから使えること |
| 6 | 成果物 | 何を納めてもらうか | ツール本体と使い方の説明書 |
| 7 | 確かめ方 | 何ができていれば合格か | 貸し出しの登録から返却まで一通り動くこと |
表の記入例は、編集部が作った架空の例です。自分の仕様書に合わせて、項目を足したり消したりしてみてください。
項目ごとの詳しい書き方や、表紙と目次の作り方は仕様書に書く項目と目次・表紙の作り方でまとめています。
ソフトウェアの仕様書テンプレートで足したい項目
ソフトウェアの仕様書テンプレートなら、共通の7項目に「画面」「帳票」「データ」「外部とのやり取り」を足すのがおすすめです。デジタル庁のデジタル・ガバメント推進標準ガイドラインでも、要件定義書の機能要件として機能・画面・帳票・データ・外部インタフェースに関する事項が挙げられています。
性能や使える時間帯、セキュリティのような「機能以外の決まり」も、別の章として入れておくと抜けにくくなります。
仕事の種類ごとに足したい項目
『うちはシステムじゃなくて、物の発注なんだけど』という方もいますよね。共通の7項目はそのままに、仕事の種類ごとに次のような項目を足すと使いやすくなります。
| 仕事の種類 | 足したい項目の例 | 向きやすい型 |
|---|---|---|
| システム開発・ソフトウェア | 画面・帳票・データ・外部とのやり取り・性能 | 本文はWord、一覧はExcel |
| サーバーや機器の購入 | 台数・性能の下限・設置場所・保守の範囲 | Word |
| 製造・製品の発注 | 寸法・材料・数量・検査の方法・梱包 | Wordと図面 |
| 食品の製造委託 | 原材料・製造の条件・表示・保管の方法 | Word |
| 業務委託・清掃などの作業 | 作業の内容・回数・時間帯・報告の方法 | WordかExcel |
| デザイン・印刷の制作 | サイズ・色・入稿の形式・校正の回数 | Word |
表は編集部が考えた目安です。業界や発注先によって、決まった書式がある場合はそちらに合わせてください。
- 表紙に版番号と日付の欄があるか
- 変更履歴の表が最初のほうにあるか
- 「含めない物」を書く欄があるか
- 決まっていない事を書く欄があるか
- 合格の基準を書く欄があるか
無料のテンプレートやフォーマットを使う時の注意
無料の仕様書テンプレートは書き始めの助けになります。ただ、作られた目的や業界が自分と違うことも多いので、そのまま埋めるのではなく、自社の仕様書に合わせて直してから使いましょう。
『無料のフォーマットを見つけたから、もうこれで書き始めよう』と思った方もいますよね。その前に、少しだけ確かめておきたいことがあります。
公的なテンプレートも「自分用に直す」のが前提
公的な機関が公開しているテンプレートもあります。例えばデジタル庁は、デジタル社会推進標準ガイドラインの一覧ページで、要件定義書や調達仕様書の標準テンプレートを掲載しています(2026年7月15日更新の掲載を確認)。
ただ、これは国の情報システムの調達を前提にした物です。社内の小さなツールや、民間どうしの発注に使う時は、合わない項目を外して使いましょう。
工事の仕様書は、発注機関ごとに提出書類の様式が決まっていることが多いです。工事の仕様書の考え方は工事仕様書とは?書き方とテンプレートの使い方で紹介しています。
テンプレートの見出しをすべて埋めようとして、関係のない内容を無理に書いてしまうことがあります。読む人は「この項目にも意味があるはず」と思って読むので、かえって混乱のもとになります。合わない項目は消すか「該当なし」と書きましょう。
他社の仕様書をひな形にする時は
前の職場や取引先の仕様書をひな形にしたくなることもありますよね。その場合は、会社名や製品名、取引の中身など、他社の情報が残らないように気をつけましょう。
借りてよいのは「どんな項目を並べるか」という骨組みまでです。中身の文章は、自分たちの仕事に合わせて書き直してください。
仕様書のテンプレートを自社用に直す手順
テンプレートは、一度で完成させようとしなくて大丈夫です。1本書いてみて、使いにくかった所を直す。これを2〜3回くり返すと、自社に合ったひな形になります。
- 過去の仕様書を2〜3本集めて、共通する項目を書き出す
- 共通の7項目と見比べて、足りない項目を足す
- ExcelかWordかMarkdownか、中身に合う型を決める
- 新しい仕様書を1本、そのひな形で書いてみる
- 書いた人と読んだ人に、書きにくかった所を聞く
- 直したひな形に版番号を付けて、置き場所を決める

記入例を1つ入れておくと使いやすい
ひな形には、項目名だけでなく「記入例」を1行入れておくのがおすすめです。初めて使う人も、どのくらいの細かさで書けばいいかがすぐ分かります。
記入例をたくさん見たい方は、仕様書のサンプル・記入例も参考にしてみてください。書き方そのもののコツは仕様書の書き方で紹介しています。
ひな形の置き場所と版を決める
せっかく作ったひな形も、人によって古い版を使っていると意味がありません。共有の場所を1つに決めて、「最新版はここ」と分かるようにしておきましょう。
ひな形自体にも版番号を付けておくと、「どのひな形で書いた仕様書か」が後から分かります。
仕様書のテンプレートでよくある相談
よく見かける相談は「テスト仕様書の形が分からない」「Excelのマス目が細かいのはなぜ」「工事の仕様書の無料テンプレートが欲しい」の3つです。どれも、型の向き不向きと、発注者の様式を確かめることで解決できます。
Q&Aサイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介しますね。
相談1:テスト仕様書の書き方とテンプレートが分からない
『単体テスト、結合テスト、システムテストの仕様書をどう書けばいいか分からない』という相談は、とても多く読まれています。初めてテストを任された方がつまずきやすい所なんです。
テスト仕様書は、同じ形の行がたくさん並ぶので、Excel型のテンプレートが向いています。列は「番号・確かめる内容・前提・操作・期待する結果・結果・確かめた人」あたりから始めてみてください。
書き方の詳しい流れはテスト仕様書とは?で紹介しています。
相談2:Excelのマス目を細かくして使うのはなぜ?
『仕事で受け取る仕様書のExcelが、セルを小さな正方形にしてある。なぜ?』という相談もよく見かけます。これは、Excelを方眼紙のように使って、文字や図を自由な位置に置くためのやり方です。
見た目は整えやすい一方で、並べ替えや検索がしにくくなります。自分でひな形を作る時は、一覧は普通の表、説明は文章、と分けて考えるのがおすすめです。
相談3:工事の仕様書の無料テンプレートを急ぎで知りたい
『工事契約に付ける仕様書の書式を急いで探している』という相談もあります。工事の仕様書は、発注者や発注機関が書式を決めていることが多いんです。
まずは発注者に「決まった様式はありますか」と聞いてみてください。公共工事なら、発注機関のサイトに共通仕様書や提出書類の様式が載っていることが多いです。
相談4:ほかの開発者は、仕様書を何のソフトで書いている?
『仕様書やマニュアルを書く時、みんなワードを使っているの?』という相談もあります。回答を見ると、ワード、エクセル、Markdown、文書共有ツールと、職場によってばらばらなんです。
つまり、どれか1つが正解というわけではありません。迷ったら「職場のみんなが開けて、直せる形か」を一番に考えてみてください。

仕様書のひな形を整えたり、項目をそろえて書いたりする経験は、システム開発の現場でも評価されやすい力です。今の職場で経験を積むのも、要件定義や設計を任される職場を探すのも、どちらも自然な選択肢です。
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よくある質問
仕様書のテンプレートはExcelとWordのどちらがいいですか?
一覧や表が中心ならExcel、文章での説明が中心ならWordが向いています。1つの仕様書でも、本文はWord、項目一覧はExcelの別紙、のように組み合わせて大丈夫です。
仕様書のテンプレートに決まった様式はありますか?
社内向けの仕様書なら、決まった様式はありません。ただ、公共工事や官公庁の調達では、発注機関が様式を決めていることがあります。提出先がある場合は、まず相手に様式の有無を確かめてみてください。
仕様書のエクセルのテンプレートを作る時のコツは?
1行に1つの項目、1列に1つの情報を入れるのが基本です。結合したセルや細かいマス目を多用すると、並べ替えや検索がしにくくなるので、必要な所だけにとどめておきましょう。
設計書もこのテンプレートで書けますか?
表紙や変更履歴、目的のような共通部分はそのまま使えます。ただ、設計書は画面やデータの細かい中身が中心になるので、項目一覧の別紙を足すのがおすすめです。設計書のひな形は「設計書のテンプレート・サンプル」の記事で紹介しています。
テンプレートの項目が多すぎて埋められません。
全部埋める必要はありません。自分の仕様書に関係のない項目は消すか「該当なし」と書き、目的・範囲・確かめ方のような大事な項目を先に書いてみてください。
まとめ
- 仕様書のテンプレートは、形でなく「どう使うか」から選ぶ
- 一覧中心ならExcel型、説明中心ならWord型、何度も直すならMarkdown型が向く
- どの仕様書にも、表紙・変更履歴・目的・範囲・条件・成果物・確かめ方の7項目を入れておく
- 無料や公的なテンプレートも、自社の仕様書に合わせて直してから使う
- ひな形は1本書いて直すことをくり返し、置き場所と版を決めて共有する





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