リフォームの仕様書の書き方|見積もりを比べるためのまとめ方

リフォームの仕様書の書き方と見積もりの比べ方を紹介する記事のアイキャッチ。打合せテーブルの仕様書と見積書

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リフォームの見積もりを2社、3社と取ってみたら、金額も書き方もバラバラ。『これ、どっちが高いのか比べようがない…』と困っている方も多いはずです。

結論から言うと、リフォームの仕様書は「場所」「範囲」「材料のグレード」「撤去と処分」の4点をそろえて書くことで、見積もりを同じ条件で比べられるようになります。

この記事を読めば、リフォームの仕様書の書き方と、テンプレートを使う時や契約・工事中に気をつけたい所が分かります。

目次

リフォームの仕様書とは?見積書・図面との違い

先に結論

リフォームの仕様書は、「どこを、どこまで、何の材料で、どう仕上げるか」を書いた書類です。見積書は金額の内訳、図面は形と寸法を表し、仕様書はその間をつなぐ役目を持っています。

『見積書があれば十分じゃないの?』と思いますよね。ただ、見積書は業者さんが自分の考えた工事内容で金額を出したものなので、会社ごとに前提が違うことがよくあるんです。

住宅金融支援機構は、住宅工事仕様書を「設計図面に表せない内容を文章で書き表したもの」と説明しています。リフォームでも同じで、図面や見積書に出てこない約束ごとを書き残すのが仕様書です。

書類主に書くことだれが作ることが多いか
仕様書工事の場所・範囲・材料・仕上げ・撤去の扱い施主が要望をまとめ、業者さんが仕上げる
見積書工事ごとの数量と金額の内訳業者さん
図面間取り・寸法・取り付け位置業者さんや設計者
契約書金額・工期・支払い・保証などの約束双方で取り交わす

この4つのうち、施主の側から動けるのが仕様書です。仕様書を先に作って各社に渡すと、見積書の中身が同じ物差しで並ぶようになります。

仕様書そのものの意味や役割は仕様書とは?意味と目的で詳しく紹介しています。

家を建てる時の仕様書との違い

新築の住宅工事仕様書は、基礎から屋根まで建物全体の標準を書いたものです。リフォームでは、今ある家のどこに手を入れるかが中心になります。

そのため、リフォームの仕様書には「今どうなっているか」と「どう変えるか」の両方を書くのがポイントです。注文住宅の仕様書の見方は住宅(家)の仕様書とはで紹介しています。

見積もりを比べるために仕様をそろえる4点

ここでの結論

見積もりの差は、たいてい「場所」「範囲」「材料のグレード」「撤去と処分」のどれかの前提がずれていることから生まれます。この4点を仕様書で先に決めておけば、各社の金額をそのまま比べられます。

ここが大事なところです。見積もりを比べる前に、比べる条件をそろえておく必要があります。

リフォームの見積もりを比べるために、場所・範囲・材料のグレード・撤去と処分の4点を仕様書でそろえるチェック表の図解
そろえる点仕様書に書くことずれていると起きること
場所工事する部屋・部位・面一社だけ廊下まで含めて見積もっている
範囲どこからどこまで、何を残すか下地の補修が入っている会社と入っていない会社が混ざる
材料のグレード材料の種類・等級・色の決め方標準品と上位品で比べてしまう
撤去と処分古い物をはがすか、だれが処分するか処分費が別途か込みかで金額が変わって見える

場所:どの部屋の、どの面か

「キッチンをリフォーム」だけでは、壁や床、天井まで入るのかが分かりません。部屋の名前に加えて、触る面を一つずつ書き出しておきましょう。

例えば「キッチン:床・壁(コンロ側の1面)・天井は触らない」と書くだけで、業者さんの解釈がぐっとそろいます。

範囲:どこまでやって、何を残すか

範囲は、トラブルになりやすい所です。既存の物を残すのか、はがして新しくするのか、下地の補修をどこまでするのかを書いておきます。

『そこまで決めないとダメなの?』と感じる方もいますよね。迷う所は「下地が傷んでいた場合は写真で相談のうえ決める」と書いておけば十分です。

材料のグレード:同じ名前でも中身が違う

同じ「システムキッチン」「フローリング」でも、グレードによって中身は大きく違います。仕様書には、材料の種類と、どの等級を基準にするかを書きましょう。

メーカー名や商品名で指定する時は、「同等品の提案も可」と添えておくと、各社が得意な商品で提案しやすくなります。比べる時は、同等かどうかを業者さんに説明してもらってください。

撤去と処分:見落としやすい費用

古いユニットバスや床材をはがした後、その処分をだれがするかで金額が変わります。「撤去・処分は施工側で行い、見積もりに含める」と書いておくと、比べやすくなります。

エアコンや照明を一度外して付け直すような付帯の作業も、ここに書いておきましょう。

4点をそろえた比べ方の例

編集部で作った架空の例です。洗面所の床と壁をリフォームする時、3社の見積もりを4点で並べるとこうなります。

そろえる点1社目2社目3社目
場所床・壁4面床・壁4面・天井床のみ
範囲既存の床をはがす既存の床をはがす上から重ね張り
材料のグレード指定どおり指定どおり上位品で提案
撤去と処分見積もりに含む別途見積もりに含む

表にすると、『2社目は天井まで入っていて、処分は別なんだ』のように気づけます。条件がそろっていない会社には、仕様書に合わせて出し直してもらいましょう。

4点チェック表
  • 工事する部屋と面を、部屋ごとに書き出したか
  • 既存の物を残すか、はがすかを書いたか
  • 下地の補修をどうするかを書いたか
  • 材料の種類と等級、同等品でよいかを書いたか
  • 撤去と処分が見積もりに含まれるかを書いたか

見積書の項目を比べるコツは、見積仕様書とは?見積もりを比べるための仕様のそろえ方で詳しく紹介しています。

リフォームの仕様書の書き方

ここでの結論

リフォームの仕様書は、工事の種類ごとに「今の状態」「変えた後」「材料」「撤去と処分」を書く形にすると迷いません。修繕の仕様書も、同じ形で書けます。

リフォームの仕様書の書き方に決まった様式はありません。ただ、順番に沿って書けば、初めての方でもまとまります。

リフォームの仕様書を書く流れ
  1. やりたいことと、困っていることを箇条書きにする
  2. 工事する部屋と面を決め、今の状態を写真に撮る
  3. 部屋ごとに「今の状態」と「変えた後」を書く
  4. 材料の種類・グレード・色の決め方を書く
  5. 撤去と処分、付帯の作業の扱いを書く
  6. 決まっていない所に「未定・決める期限」を書く
  7. 各社に同じ仕様書を渡して見積もりを頼む

工事の種類ごとに書く項目

工事の種類によって、書き足したい項目が少しずつ違います。主なものを表にまとめました。

工事の種類書き足したい項目書き方の例
キッチン・浴室・トイレ本体の大きさ、配管や換気の位置を変えるか「配管の位置は今のまま」
床・壁・天井の内装はがすか重ねるか、下地の補修「既存クロスをはがし、下地を補修」
外壁・屋根足場、下地の補修、塗る回数の決め方「足場の設置・撤去を含む」
修繕(雨漏り・建具の不具合など)原因を調べる作業の有無、直す範囲「原因の調査後、補修範囲を相談」

内装の床・壁・天井の書き方は、内装工事の仕様書の書き方で記入表つきで紹介しています。

修繕の仕様書の書き方

雨漏りや床のきしみなど、修繕の仕様書の書き方は少し注意がいります。原因が分からないうちは、直す範囲を決めきれないからです。

その場合は、「調べる作業」と「直す作業」を分けて書いておきましょう。例えば「まず原因を調べ、結果を写真つきで報告。補修の範囲はその後に決める」という書き方です。

公共の建物の改修は標準仕様書を引く

官庁施設などの改修工事では、国土交通省の公共建築改修工事標準仕様書(令和7年版)が使われます。新築の標準仕様書との違いは公共建築改修工事標準仕様書とはで紹介しています。

リフォーム仕様書のテンプレートを使う時の注意

ここでの結論

リフォーム工事の仕様書テンプレートは、手早く形を作るのに役立ちます。ただ、工事の種類や住まいの形に合わせて項目を足さないと、肝心の4点が抜けたままになりがちです。

『ひな形があれば一から作らなくて済むのに』と思いますよね。ExcelやWordのテンプレートは、業者さん向けや施主向けのものがいろいろ見つかります。

ただ、テンプレートは一般的な工事を想定して作られています。そのまま埋めるだけだと、撤去と処分や下地補修の欄がないこともあるんです。

テンプレートを使う前に見直す所
  • 場所・範囲・材料のグレード・撤去と処分の欄があるか
  • 部屋ごと・面ごとに行が分かれているか
  • 「今の状態」を書く欄があるか
  • 未定の項目と決める期限を書ける欄があるか
  • 変更の日付と内容を残す欄があるか

Excelで自分用のひな形を作る時の列の並べ方

テンプレートがしっくりこない時は、Excelで一枚の表を作ってしまうのも手です。列を次の順に並べると、4点が自然にそろいます。

列書くこと記入例
部屋・面場所洗面所の床
今の状態写真の番号と一言クッションフロアがはがれている
変えた後範囲と仕上げ既存をはがして張り替え
材料・等級材料のグレード耐水性のある床材・同等品可
撤去と処分だれが、見積もりに含むか施工側で処分・見積もりに含む
未定・期限決まっていない所色は来週までに決める

行を部屋・面ごとに分けておけば、業者さんも見積書の行と照らし合わせやすくなります。

マンションでテンプレートを使う時に書き足すこと

マンションのリフォームでは、管理規約や管理組合のルールに合わせた項目が必要になります。マンションのリフォーム仕様書テンプレートを使う時は、次の項目を書き足してみてください。

書き足す項目なぜ必要か書き方の例
管理規約で決まっている条件床材や工事の時間帯に決まりがあることがある「管理規約の条件に合う床材を使う」
共用部分との境目玄関扉や窓の扱いは管理規約で決まっている「玄関扉・サッシは管理規約に沿って扱う」
搬入と養生廊下やエレベーターを使う「共用廊下とエレベーターを養生する」
届け出の書類理事会に工程表や仕様書を出すことがある「届け出用の工程表・図面を施工側で用意」
よくある失敗

テンプレートの見本の材料名を消し忘れて、そのまま各社に渡してしまうケースです。業者さんは書かれたとおりに見積もるので、意図しない材料の金額が並んでしまいます。

テンプレート全般の選び方は仕様書のテンプレートで紹介しています。

契約から工事中まで、仕様書をどう扱うか

ここでの結論

仕様書は、見積もりを取る時だけの書類ではありません。契約書に添付し、工事中の変更も書面で残しておくと、引き渡しの後まで頼りになります。

実は、仕様書がいちばん力を発揮するのは契約の後なんです。工事の途中で「言った・言わない」にならないよう、時期ごとの扱いを押さえておきましょう。

時期仕様書でやること一緒に残すもの
見積もりを頼む前4点をそろえた仕様書を作る今の状態の写真
見積もりを比べる時仕様書と違う所に印を付けて出し直してもらう各社の見積書
契約の時最終版の仕様書を契約書に添付する見積書・図面
工事中変更は内容と日付を書面やメールで残す変更の合意の記録
引き渡しの時仕様書どおりか、部屋ごとに確かめる完成の写真
リフォームの仕様書を見積もり前・比較・契約・工事中・引き渡しの時期ごとにどう扱うかを示した図解

住宅リフォーム推進協議会の「住宅リフォーム工事標準契約書」の解説(令和7年9月改定)では、契約時に見積書・設計図・仕様書などを添付するよう案内されています。工事中の変更や追加は、注文者と請負者が話し合って双方の合意で決め、書面(電子メールなどを含む)で残すとされています。

同じ解説では、建設業法第19条により、すべての工事で所定の事項を書いた契約書面を交付しなければならないとも説明されています。小さな工事でも、口約束だけで進めないようにしましょう。

引き渡しの後に仕様書が役立つ場面

同じ標準契約書の解説では、契約不適合責任の期間を「引渡しから2年」としています。建築設備の機器本体や室内の仕上げ・装飾、家具、植栽は「引渡しから1年」です。

『この不具合は約束と違うのでは?』と感じた時、比べる相手になるのが仕様書です。引き渡しの後も、契約書と一緒に手元に残しておきましょう。

業者さんの見積書の書き方も手がかりになる

国土交通省が2014年9月に創設した住宅リフォーム事業者団体登録制度では、構成員の事業者に、請負契約書と内訳を明確に書いた見積書の交付を求めています。内訳が分かる見積書かどうかも、選ぶ時の目安にしてみてください。

業者さんを選ぶ時に見ておきたいこと

国民生活センターの見守り新鮮情報(第491号)では、複数の事業者から見積もりを取り、費用だけでなく工期や施工体制、保証の内容も比べるよう助言しています。高額な費用の全額前払いは避け、完成後の支払いを基本にすることも勧められています。

契約の前に確かめたいこと
  • 仕様書・見積書・図面が契約書に添付されているか
  • 工期と、遅れた時の扱いが契約書に書かれているか
  • 支払いの時期が工事の進み具合に合っているか
  • 保証の内容と期間が書かれているか

困った時は、消費者ホットライン「188」で相談できます。

リフォームの仕様書でよくある相談

ここでの結論

相談で多いのは、「仕様書が無いまま工事が進んでしまった」と「仕様書をだれが用意するのか分からない」の2つです。どちらも、書面を残すことで防げる場面が多くあります。

知恵袋などで閲覧の多い相談を、要約して答えていきますね。

契約書も仕様書も無いまま工事が終わり、仕上がりに納得できない

『契約書も最終の見積書も仕様書も無く、工事の出来に納得できないまま請求書が届いた』という相談は、とても多く読まれています。

まずは、やり取りしたメールやメモ、最初の見積書など、手元に残っている物を集めてみてください。何を頼んだかを示せる物があると、話し合いの土台になります。

自分だけで話がまとまらない時は、消費者ホットライン「188」に相談してみましょう。これから頼む方は、同じことにならないよう仕様書を契約書に添付しておくのがおすすめです。

マンションの理事会に出す仕様書は、だれが用意するのか

『理事会への工事申請に工程表や図面、仕様書が要るけれど、自分で作るの?』という相談もあります。

多くの場合、工事の中身を一番知っている業者さんに用意してもらうのが早いです。依頼する時に「管理組合への届け出用の書類も作ってほしい」と伝え、仕様書に一行入れておきましょう。

大工さんに「仕様書は無い」と言われて不安

『昔からの大工さんに頼むので、仕様書は無いと言われた。大丈夫?』という声もあります。不安になりますよね。

立派な書式でなくても構いません。この記事の4点を一枚にまとめて、「この内容でお願いします」と渡し、控えを残しておくだけでも行き違いは減ります。

例えば、こんなふうに伝えてみてください。

「仕様書は私がまとめたので、この内容で見積もりをお願いできますか?」
「分かりました。下地を開けて傷んでいたら、写真を送って相談しますね」

リフォームの仕様書のように、人の要望を聞いて文書にまとめる力は、システム開発の要件定義や社内SEの仕事とも共通しています。ITの仕事に興味がある方は、今の経験を活かせる求人がないか眺めてみるのも一つです。

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よくある質問

リフォームの仕様書は、施主が書かないといけないものですか?

決まりはありません。業者さんが作ることも多いです。ただ、見積もりを比べたい時は、施主の側で4点をそろえた仕様書を用意すると比べやすくなります。

リフォーム工事の仕様書テンプレートは、どれを使えばいいですか?

ExcelでもWordでも、書きやすい物で構いません。場所・範囲・材料のグレード・撤去と処分の欄がそろっているかを見て、足りない欄は足してから使ってください。

見積もりの金額が会社ごとに大きく違うのはなぜですか?

多くは、工事の範囲や材料のグレード、処分費の扱いなどの前提が違うためです。同じ仕様書を渡して出し直してもらうと、差の理由が見えてきます。

工事中に仕様を変えたくなったら、どうすればいいですか?

業者さんと話し合って双方で合意し、変更の内容と日付を書面やメールで残しておきましょう。金額や工期が変わるかも、その時に確かめておくと安心です。

修繕の仕様書は、リフォームと書き方が違いますか?

基本は同じです。原因が分からない修繕では、「原因を調べる作業」と「直す作業」を分けて書き、補修の範囲は調べた結果を見て決める形にすると行き違いが減ります。

まとめ

この記事の要点
  • リフォームの仕様書は、どこを、どこまで、何で、どう仕上げるかを書く
  • 見積もりを比べる前に、場所・範囲・材料のグレード・撤去と処分の4点をそろえる
  • テンプレートは4点と未定の欄を足して使い、マンションでは管理規約の項目も書く
  • 最終版の仕様書は契約書に添付し、工事中の変更は書面で残す
  • 困った時は手元の記録を集め、消費者ホットライン「188」に相談できる
仕様書ドットコム

仕様書ドットコム 編集部

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