アパレル・服の仕様書(縫製仕様書)の書き方

アパレル・服の仕様書(縫製仕様書)の書き方を紹介する記事のアイキャッチ。作業台に広げた仕様書と生地見本

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オリジナルの服やグッズを工場に頼むことになり、『縫製仕様書ってどう書けばいいの?』と手が止まっていませんか。デザイン画はあるのに、そこから先が分からないという方は多いですよね。

結論から言うと、アパレルの仕様書は「絵型」「寸法表」「素材と付属」「縫い方」の4枚に分けて組むと、工場に伝わる形になります。

この記事を読めば、服の仕様書の書き方と、ニットやぬいぐるみで足しておきたい項目が分かります。

目次

縫製仕様書とは?アパレルの仕様書の役割

先に結論

縫製仕様書は、服をどんな形・大きさ・素材・縫い方で作るかを工場に伝えるための書類です。デザイン画が「イメージ」なら、仕様書は「作り方の約束」です。

『デザイン画を渡せば作ってもらえるのでは?』と思う方もいますよね。ただ、デザイン画だけでは、縫い代の始末やボタンの大きさまでは伝わらないんです。

工場は仕様書を見て、型紙を引き、材料をそろえ、縫い方を決めます。書いていないことは工場の判断になるので、思っていた服と違う仕上がりになることもあります。

書類主な役割
デザイン画服の雰囲気や着た時のイメージを伝える
縫製仕様書形・寸法・素材・縫い方を決めて工場に伝える
型紙(パターン)仕様書を元に、生地を裁つ形にしたもの
修正指示書サンプルを見て、直す所を伝える

仕様書そのものの意味は仕様書とは?で、製品の仕様書全般の書き方は製品仕様書とは?で紹介しています。

様式は会社ごとに違う

縫製仕様書には、業界で一律に決まった様式があるわけではありません。工場から指定の様式があればそれに合わせ、無ければこの記事の4枚の形を使ってみてください。

服の仕様書は「4枚」で組む

ここでの結論

服の仕様書は、絵型・寸法表・素材と付属・縫い方の4枚に分けると、工場が必要な情報を探しやすくなります。1枚に全部詰め込むより、読み違いが減ります。

アパレルの仕様書を1枚の紙に全部書こうとすると、絵と文字がぎゅうぎゅうになりますよね。そこで編集部では、役割ごとに4枚に分ける形をおすすめしています。

1枚ごとの名前書くこと書き方のヒント
絵型前・後ろの平置きの絵、ポケットや切り替えの位置、ステッチの位置着た姿ではなく、平らに置いた形で描く
寸法表測る所の名前、サイズごとの寸法、測り方測る所に記号を振り、絵型と対応させる
素材と付属表地・裏地・芯地、ボタンやファスナー、ネーム、下げ札生地見本や色見本を添える
縫い方縫い代の始末、ステッチの種類、裾や袖口の始末、アイロンの仕上げ部位ごとに1行ずつ書く
服の仕様書を絵型・寸法表・素材と付属・縫い方の4枚で組む記入表の図解

絵型:平らに置いた形で描く

絵型は、服を机に平らに置いた時の形で描きます。前と後ろの両方を描き、ポケットやボタンの位置も入れておきましょう。

細かい所は、部分を大きく描いた絵を別に添えると伝わりやすくなります。

絵型は手描きでも、工場に伝われば構いません。描画ソフトで作っておくと、直す時や送り直す時に楽になりますよ。

寸法表:「どこを測るか」をそろえる

寸法表は、数値より先に「どこからどこまでを測るか」をそろえるのが大事です。同じ「身幅」でも、測る位置がずれると数値が変わってしまうからです。

絵型の測る所に記号を振り、寸法表の行と同じ記号を使うと、読み違いが起きにくくなります。

素材と付属:見本を添える

素材は、名前だけでなく生地見本を添えるのが確実です。付属のボタンやファスナーも、色と大きさを見本や写真で示しておきましょう。

縫い方:部位ごとに1行ずつ

縫い方は、「肩」「脇」「裾」「袖口」のように部位ごとに1行ずつ書くと漏れが減ります。始末の仕方が分からない時は、手持ちの服で近い作りの物を見本として送る方法もあります。

記入例:架空の無地のTシャツ

ここでは、編集部が作った架空の無地のTシャツで、縫い方の1枚を埋めてみます。実在の商品ではないので、寸法の数値は書かず、書き方の形だけ見てください。

部位縫い方の書き方の例
首回り共布のリブを付け、首の後ろに補強のテープを付ける
肩縫い合わせた後、伸び止めのテープを入れる
袖付け・脇縫い代は端をかがり、後ろ側に倒す
袖口・裾折り返して二本のステッチで押さえる
ネーム首の後ろの中心に付ける。位置は絵型による

表にしておくと、工場から『脇の縫い代はどちらに倒しますか』と聞かれた時も、すぐに答えられます。

アパレルの仕様書の書き方のコツ

ここでの結論

アパレルの仕様書の書き方で大事なのは、言葉より絵で示すこと、測り方をそろえること、決めていない所を「未定」と書くことの3つです。

『専門用語が分からないから、仕様書なんて書けない』と思っていませんか。実は、用語を知らなくても、絵と引き出し線で示せば十分に伝わります。

仕様書を工場に送る前のチェック
  • 前と後ろの絵型がそろっているか
  • 寸法表の記号が絵型と対応しているか
  • 生地見本と色見本を添えたか
  • 付属品の色・大きさ・付ける位置を書いたか
  • 決めていない所に「未定」と書いたか

サイズ展開は「基準のサイズ」から決める

複数のサイズを作る時は、まず基準になるサイズの寸法を決め、他のサイズはそこから大きく・小さくする形で書くのが分かりやすいです。寸法表には、サイズごとの列を並べておきましょう。

どこまでの誤差なら合格とするかも、工場と話して決めておくと安心です。数値は服の種類や工場のやり方で変わるので、見積もりの段階で確かめてみてください。

決めていない所は「未定」と書く

決めていない所を空欄にしておくと、工場は「お任せ」と受け取ることがあります。まだ決まっていない所は、未定と書いて、いつまでに決めるかを添えておきましょう。

よくある失敗

サンプルの段階で口頭で直した所を、仕様書に書き戻し忘れることがあります。量産の時に古い仕様書のまま作られてしまうので、直した所は仕様書を版上げして送り直してみてください。

ニット・ぬいぐるみの仕様書の書き方

ここでの結論

ニットやぬいぐるみの仕様書も、4枚の形が基本です。そこに、ニットなら編み方と糸、ぬいぐるみなら中に詰める物と顔の付け方を足します。

服とは少し違う物を頼む時、『同じ書き方でいいの?』と迷いますよね。足しておきたい項目を表にまとめてみます。

種類足しておきたい項目書き方のヒント
ニット編み地の種類、糸の素材と太さ、編む密度、リブの位置編み地の見本や、近い作りの手持ちの服を添える
ぬいぐるみ生地の毛足、中に詰める物、目や鼻の付け方、大きさ正面・横・後ろの絵と、各部の寸法を描く
ぬいぐるみのストラップ金具の種類、ひもの長さ、本体との付け方付ける所を絵型で大きく描く

ニットの仕様書は「編み地」を見本で伝える

ニットは、同じ糸でも編み方で風合いが大きく変わります。言葉で説明しきれない時は、編み地の見本や写真を添えておくのが近道です。

ニットの仕様書の書き方で迷いやすいのは、縫う服と違って「編んでから形にする」作り方がある所です。どの部分を編み地のまま使い、どこを縫い合わせるかを絵型に書き分けておくと、工場とのやり取りが減ります。

ぬいぐるみの仕様書は「顔」を大きく描く

ぬいぐるみは、目や口の位置が少しずれるだけで印象が変わります。顔だけを大きく描いた絵を添え、目の付け方を刺しゅうにするか部品にするかも書いておきましょう。

小さな子どもが手に取る物なら、部品が外れにくい付け方にしてほしいことも書き添えておくと安心です。

よくある相談:部位の名前・ぬいぐるみの依頼・用尺

ここでの結論

部位の名前が分からない時は、絵型に引き出し線で示せば伝わります。用尺は、生地の幅と一緒に書くのが基本です。

アパレルの仕様書について、Q&Aサイトで相談されている話題を3つ取り上げますね。質問はそのまま写さず、要点だけまとめています。

相談1:部位の名前が分からず、仕様書に書けない

多く読まれているのが、『スウェットの首元にある小さな三角の部分、名前が分からず仕様書に書けない』という相談です。

結論から言うと、名前が分からなくても大丈夫です。絵型でその部分を指し、「首元の三角の切り替え、リブ素材」のように見たままを書けば、工場には伝わります。

部位の呼び名は、工場や地域で違うこともあります。名前に頼らず、絵で示す方が行き違いは少ないんです。

相談2:ぬいぐるみのストラップを業者に頼みたい

『ぬいぐるみの付いたストラップを作りたいけど、仕様書の作り方が分からない』という相談もあります。

まずは正面・横・後ろの絵と、おおよその大きさを書いてみてください。生地の色と毛足、顔の付け方、金具の種類まで書ければ、見積もりをもらえる段階になります。

業者とのやり取りは、例えばこんな形で始めると話が早いです。

「絵と大きさの案を送ります。この内容で見積もりと、サンプルの日程を教えていただけますか。」

相談3:仕様書に書く「用尺」とは?

『縫製仕様書に、生地幅と用尺を書く欄がある。これは何?』という相談も見かけます。

用尺は、服を1枚作るのに使う生地の長さのことです。生地の幅によって必要な長さが変わるので、幅とセットで書くのが基本です。数値は型紙の配置で決まるので、工場やパタンナーに確かめてみてください。

服の仕様書を作ってからサンプル・修正・量産に進む流れを示した図解

仕様の変更と取引の注意

ここでの結論

工場に頼んだ後で仕様を変える時は、変えた内容と日付を書面で伝えます。すでに作った分の扱いも話し合っておきましょう。

『サンプルを見たら、やっぱり形を変えたくなった』ということはよくありますよね。直すこと自体は自然なことです。

経済産業省の「繊維産業における取引適正化推進のためのガイドライン」(令和7年12月改訂)では、発注していた仕様を途中で変える場合に、受ける側が既に作った製品を受け取り、生産の準備にかかった費用も負担することが望ましいとされています。

取引の相手が中小の事業者なら、取適法(中小受託取引適正化法)も関わります。発注の時には、品目や数量、規格、仕様などの給付の内容を明示することが求められています。発注の書き方は発注仕様書とは?で、デザインの制作を頼む時の仕様書はデザイン・印刷入稿の仕様書で紹介しています。

仕様書をまとめる力はITの仕事でも生きる

服の仕様書を書くと、頭の中のイメージを、誰が読んでも同じに作れる文書にする力が身につきます。この力は、システム開発の要件定義や社内SEの仕事とも共通するものです。

今の仕事で経験を重ねるのも、資格を取ってから動くのもよい道です。ITの仕事に興味がある方は、求人の仕事内容をのぞいてみてください。

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よくある質問

縫製仕様書は、誰が書くものですか?

一般的には、服を企画するデザイナーや企画の担当が書きます。個人で頼む時は、工場と相談しながら一緒に仕上げる進め方もあります。

アパレルの仕様書の書き方で、最初に描くのはどれですか?

絵型から描くのがおすすめです。絵型に測る所の記号を振っておくと、寸法表や縫い方の欄が書きやすくなります。

ニットの仕様書は、服の仕様書と何が違いますか?

4枚の形は同じです。そこに編み地の種類と糸、編む密度を足し、編み地の見本を添えるのが違いです。

仕様書を書かずに、見本の服だけ送って作ってもらえますか?

頼める工場もあります。ただ、見本と違えたい所があるなら、その所だけでも仕様書に書いておくと仕上がりのずれを防げます。

サンプルで直した所は、仕様書に書き戻した方がいいですか?

書き戻しておきましょう。量産は仕様書を元に進むので、直した所を版上げして送り直すと行き違いを防げます。

まとめ

この記事の要点
  • 縫製仕様書は、服の形・寸法・素材・縫い方を工場に伝える書類
  • 服の仕様書は絵型・寸法表・素材と付属・縫い方の4枚で組む
  • 部位の名前が分からない時は、絵型に引き出し線で示す
  • ニットは編み地、ぬいぐるみは中に詰める物と顔の付け方を足す
  • 仕様を変える時は書面で伝え、すでに作った分の扱いも話し合う
仕様書ドットコム

仕様書ドットコム 編集部

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