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チラシやロゴ、パンフレットの制作を頼むことになって、『何をどこまで書いて渡せばいいの?』と手が止まっていませんか。思ったものと違うデザインが届くのは、できれば避けたいですよね。
結論から言うと、デザインの仕様書は「目的と読む人」「サイズと形式」「入れる文字と素材」「納期と修正回数」の4つを書けば、大きな行き違いはぐっと減ります。
この記事では、4つの項目の書き方と、そのまま使えるテンプレートの形を紹介します。
デザインの仕様書とは?何のために書くの?
デザインの仕様書は、制作を頼む側が「何を、誰に向けて、どんな形で作ってほしいか」を書いた依頼の文書です。デザインの好みを伝える前に、決まっている条件をそろえて渡すためのものなんです。
デザインの依頼は、口頭やチャットのやり取りだけで進むことも多いですよね。ただ、後から『そんな話は聞いていない』となりやすいのも、この進め方なんです。
仕様書があれば、頼む側と作る側が同じ紙を見て話せます。仕様書そのものの意味は仕様書とは?意味と目的で詳しく紹介しています。
| よく似た書類 | 中身 | 誰が書くことが多いか |
|---|---|---|
| デザインの仕様書(依頼書) | 目的・サイズ・入れる文字・納期などの条件 | 頼む側 |
| 入稿仕様書(入稿の手引き) | データの形式・色の扱い・文字の扱いなど | 印刷会社や媒体 |
| 制作の見積書 | 作業の範囲と金額 | 作る側 |
| デザインの指示書(修正指示) | 直してほしい場所と直し方 | 頼む側 |
印刷の「入稿仕様書」は別の書類
印刷物の場合は、デザインの仕様書とは別に、印刷会社が「入稿の仕様」を決めていることがあります。データの形式や色の扱い、文字の扱いなどの決まりです。
こちらは頼む側が考えるものではなく、印刷会社の決まりに合わせるものです。デザイナーに頼む時は、どの印刷会社で刷るかを先に伝えておくと話が早いですよ。
制作を頼む前に決める4つのこと
デザインの依頼は「目的と読む人」「サイズと形式」「入れる文字と素材」「納期と修正回数」の4つに分けて書くと、抜けがなくなります。好みの雰囲気は、この4つが決まってから伝えれば十分です。
『おしゃれな感じで』とだけ伝えて、思っていたのと違うものが届いたことはありませんか。雰囲気の言葉は人によって受け取り方が違うので、決まっている条件を先に渡すのがコツなんです。

| 区分 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 目的と読む人 | 何のために作るか、誰に読んでほしいか | 新しい教室の生徒募集。近所に住む子育て中の家族向け |
| サイズと形式 | 仕上がりの大きさ、紙かWebか、納品データの種類 | 新聞折り込みのチラシ。片面カラー。印刷用データと確認用の画像 |
| 入れる文字と素材 | 載せる文章、写真、ロゴ、地図など | 文章は別紙のとおり。写真は支給。ロゴはデータで支給 |
| 納期と修正回数 | 初稿の日、修正のやり取りの回数、最終納品の日 | 初稿は来週中。修正は2回まで。最終納品は配布日の前週 |
目的と読む人は1行でいい
目的と読む人は、長く書く必要はありません。「誰に、何をしてほしいか」が1行で分かれば、デザイナーは色や文字の大きさを決めやすくなります。
例えば「高齢の方にも読める文字の大きさで」と添えるだけで、仕上がりはずいぶん変わるんです。
打合せでは、こんなやり取りになることが多いですよ。
「このチラシ、いちばん見てほしい所はどこですか?」
「体験の申し込み方法です。電話番号を大きくしてほしいです」
この答えが仕様書に書いてあれば、最初の打合せはぐっと短くなります。
入れる文字は「確定版」を渡す
文章が決まらないまま制作に入ると、修正が何度も続きがちです。入れる文字は、社内で確認を終えた確定版をまとめて渡しておきましょう。
写真やロゴは、誰が用意するかも書いておくと安心です。支給するのか、デザイナーに探してもらうのかで、作業の量が変わるからですね。
修正回数は先に決めておく
修正のやり取りの回数は、依頼の前に決めておくのがおすすめです。回数の決めがないと、頼む側も作る側も終わりが見えなくなってしまいます。
「修正は2回まで、それ以上は別に相談」のように書いておくと、お互いに気持ちよく進められますよ。
入稿仕様書のテンプレートで確かめる項目
印刷物を頼む時は、印刷会社の入稿仕様書のテンプレートを先にもらい、デザイナーと共有しておくのがいちばん確実です。頼む側は細かい数値を覚えなくても大丈夫です。
『塗り足しとか解像度とか、言葉の意味がよく分からない』という方も多いはずです。実は、これらは印刷会社ごとに決まりがあるので、頼む側が決めるものではないんです。
大事なのは、どこで刷るかを決めて、その印刷会社の入稿の決まりを手に入れておくことです。そのうえで、次の項目がデザイナーに伝わっているかを確かめてみてください。
- 印刷会社の入稿仕様書(テンプレート)をデザイナーに渡したか
- 仕上がりのサイズと、紙かWebかを伝えたか
- 色の扱い(印刷用か画面用か)を印刷会社の決まりに合わせたか
- 文字が化けないように、文字の扱いを印刷会社の決まりに合わせたか
- 写真やロゴのデータを、元のファイルで渡したか
Webに載せる画像は「どこに出すか」を書く
Webサイトや広告に載せる画像なら、紙の入稿の決まりはいりません。その代わり「どの場所に、どの大きさで出すか」を伝えておきましょう。
サイトそのものの制作を頼む場合は、決めることがもっと増えます。Webサイト制作の仕様書・要件定義書も合わせて見てみてください。
デザイン仕様書のテンプレートと記入例
デザイン仕様書のテンプレートは、表を1枚作れば十分です。左に項目、右に中身を書く形にして、空欄のまま渡さないことが大事です。
『テンプレートって、どこかの会社の物を探してくるもの?』と思うかもしれませんね。実は、項目さえそろっていれば、ExcelやWordで自分で作った表で問題ありません。
下は、編集部が作った架空の記入例です。教室の生徒募集チラシを頼む場合を想定しています。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 件名 | 新しい教室の生徒募集チラシ |
| 目的 | 近所の家族に教室を知ってもらい、体験の申し込みにつなげる |
| 読む人 | 近所に住む子育て中の家族 |
| 仕上がり | 新聞折り込み用のチラシ。片面カラー |
| 入れる文字 | 別紙の原稿のとおり(確定版) |
| 支給する素材 | 教室の写真、ロゴのデータ、地図 |
| 雰囲気の参考 | 明るく、文字が読みやすいもの |
| 納品物 | 印刷会社に入稿できるデータと、確認用の画像 |
| 印刷会社 | 決まっている。入稿の決まりは別紙で渡す |
| 納期 | 初稿は来週中、最終納品は配布日の前週 |
| 修正回数 | 2回まで。それ以上は別に相談 |
| 連絡先 | 担当者と、確認をする人 |
社内で最後に「これでいい」と決める人を書いておくと、修正の戻しが早くなります。担当者だけが見て進め、最後に上の人の一言で全部やり直し、という事態を防げます。
項目の並べ方や表紙の作り方は、仕様書に書く項目と目次・表紙の作り方で詳しく紹介しています。
誰が読んでも同じに伝わる書き方
デザインの仕様書は、人によって受け取り方が変わる言葉を、確かめられる言葉に置き換えるのがコツです。
JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)では、要求は客観的に確かめられるものだけを書き、「十分に強い」のような表現は使わない、という考え方が示されています。規格を作るためのルールですが、デザインの依頼にもそのまま使える考え方なんです。
例えば、こんな言い換えです。
| 伝わりにくい書き方 | 伝わる書き方 |
|---|---|
| 目立つ感じで | 電話番号と申し込み方法を、いちばん大きな文字にする |
| 若い人向けに | 子育て中の家族が手に取る前提で作る |
| いい感じの写真で | 支給する教室の写真を使う。足りなければ相談 |
| なるべく早く | 初稿は来週中、最終納品は配布日の前週 |
途中で目的や載せる文章を変えると、作り直しに近い作業になることがあります。変える時は、どこを変えるかを仕様書に書き足して、作る側と合意してから進めましょう。
会社が個人や小さな会社にデザインを頼む時は、取適法(中小受託取引適正化法)の発注内容の明示(4条明示)にも気をつけたいところです。給付の内容は、受ける側がそれを見て理解し、指示に合った物を作れる程度に明示することが必要とされています。

仕様の途中変更の扱いは、発注仕様書とは?書き方と伝わる書き方のコツで詳しく紹介しています。
デザインの仕様書でよくある相談
よく見かけるのは、服のデザイン仕様書の作り方と、イメージ図までそろえた企画を形にしたいという相談です。どちらも「作る人が迷わない情報があるか」で考えると答えが見えてきます。
閲覧数が多い相談を、内容をまとめた形で紹介します。
相談1:服のデザイン仕様書を、デザイン用のソフトで作りたい
アパレルの仕事で、デザイン仕様書をデザイン用のソフトで作っている人に作り方を聞きたい、という相談です。閲覧数がとても多く、同じことで迷う人が多いことが分かります。
服の場合は、平面の絵型(服の形の図)に、寸法や縫い方、使う生地や付属品を書き込んでいく形が一般的です。チラシやロゴとは書く項目が大きく違うので、アパレル・服の仕様書(縫製仕様書)の書き方を見てみてください。
相談2:服の絵型の素材はどこで手に入る?
仕様書に使う洋服の絵型を、どこかで手に入れられないか、という相談も多く見かけます。
絵型は自社の型に合わせて描き起こすことが多いものです。外の素材を使う時は、使ってよい条件をよく読んでからにしておきましょう。
相談3:ゲームの企画とイメージ図はあるけれど、形にするには?
仕様書もデザインのイメージ図もできていて、これを形にしたい、という相談です。
こうした時は、デザインの仕様書に加えて、画面や動きを書いた仕様書が必要になります。見た目の絵だけでは、作る人がボタンを押した後の動きまで分からないからです。
ゲームの仕様書の書き方は、ゲームの仕様書の書き方で詳しく紹介しています。
- 何を作るかを1行で言える目的
- 画面やページの一覧
- 入れる文字や素材の一覧
- 納期と、誰が最後に確かめるか
仕様をまとめる力は、ほかの仕事にも活きる
デザインの仕様書を書くと、関係する人の要望を聞き取り、確かめられる言葉で文書にまとめる力がつきます。実はこの力、システム開発の要件定義や社内SEの仕事とも共通しているんです。
今の仕事で経験を積むのも、資格を取ってから考えるのも、どちらも立派な選択です。ITの仕事に興味がある方は、仕様書を書く職種の求人の仕事内容を一度のぞいてみると、道が見えてきますよ。
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よくある質問
デザインの仕様書には、最低限何を書けばいいですか?
目的と読む人、サイズと形式、入れる文字と素材、納期と修正回数の4つです。この4つがそろっていれば、雰囲気の好みは後から相談しても大きくずれません。
デザイン仕様書のテンプレートは、どこかでもらう必要がありますか?
決まった様式はないので、ExcelやWordで項目を並べた表を自分で作れば十分です。空欄のまま渡さず、決まっていない項目は「相談したい」と書いておきましょう。
入稿仕様書のテンプレートは誰が用意しますか?
印刷物の入稿の決まりは、印刷会社が用意していることが多いです。刷る会社を先に決めて、その決まりをデザイナーに渡しておくと安心です。
デザインの仕様書は、頼む側と作る側のどちらが書きますか?
基本は頼む側が書きます。慣れていない時は、4つの項目だけ埋めて渡し、残りはデザイナーと打合せで決めていく形でも大丈夫です。
修正回数は決めておくべきですか?
決めておくのがおすすめです。回数の決めがないと終わりが見えなくなりやすいので、「何回まで、それ以上は相談」と書いておくと進めやすくなります。
まとめ
- デザインの仕様書は、頼む側が条件をそろえて渡すための文書
- 目的と読む人、サイズと形式、入れる文字と素材、納期と修正回数の4つで書く
- 印刷物は、印刷会社の入稿仕様書をデザイナーと共有する
- テンプレートは項目を並べた表で十分。空欄で渡さない
- 雰囲気の言葉は、確かめられる言葉に置き換える





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