仕様書に書く項目と目次・表紙の作り方|共通の骨組みと業界別の項目

仕様書に書く項目と目次・表紙の作り方を紹介する記事のアイキャッチ。付箋を貼った書類とバインダー

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仕様書を書き始めようとして、『そもそも何の項目を立てればいいの?』と手が止まっていませんか。目次や表紙をどう作ればいいかも、意外と教わる機会がないですよね。

結論から言うと、仕様書の項目は「目的・範囲・条件・成果物・検査・変更」の6つの骨組みから考えると迷いません。そこに業界ごとの項目を足せば、目次はほぼ完成します。

この記事を読めば、仕様書に書く項目の選び方と、目次・表紙の作り方が分かります。

目次

仕様書に書く項目は「6つの骨組み」から考える

先に結論

仕様書の内容は業界によって違って見えますが、骨組みはほぼ共通です。目的・範囲・条件・成果物・検査・変更の6つをそろえれば、大事な項目の抜けはかなり防げます。

仕様書そのものの意味や役割は仕様書とは?意味と目的、設計書・要件定義書との違いでまとめています。ここでは、何の項目を立てるかに絞ってお話ししますね。

『業界ごとに全然違うんじゃないの?』と思う方もいますよね。実は、システムでも工事でも物の購入でも、仕様書が答えるべき問いはだいたい同じなんです。

骨組み答える問い書く内容の例
目的何のために頼むのか背景・困っている事・達成したい事
範囲どこまでを頼むのか含める物・含めない物・作業の場所
条件何を守ってほしいのか性能・品質・使う環境・守る規格や決まり
成果物何を納めてもらうのか物・文書・データと、その数や形式
検査何ができていれば合格か確かめる方法・確かめる人・時期
変更決めた事が変わったらどうするか変更の相談の仕方・版の付け方・変更履歴

この表は、編集部がいろいろな仕様書に共通する問いを並べて作った物です。6つのうち1つでも空いていると、後で「そこは聞いていない」というすれ違いが起きやすくなります。

仕様書に共通する6つの骨組み、目的・範囲・条件・成果物・検査・変更を並べた図解

項目の中身は「確かめられる言葉」で書く

項目を立てたら、次は中身の書き方です。実は、項目がそろっていても、中身があいまいだと仕様書としては役に立たないんです。

JIS Z 8301:2019 の考え方では、要求は客観的に確かめられるものだけを書き、「十分に強い」のような表現は使わないとされています。社内の仕様書でも、この考え方はそのまま使えますよ。

あいまいな書き方確かめられる書き方の例
使いやすい画面にする一覧画面から2回の操作で返却できる
なるべく早く納める納める期日を日付で書く
丈夫な物にする守る規格の名前と番号を書く
必要に応じて報告する報告の時期と方法(週1回・メール等)を書く

表の例は編集部が作った物です。「誰が読んでも同じ物を思い浮かべるか」を基準に、言葉を選んでみてください。

業界別に足す項目のチェック表

ここが大事

6つの骨組みに、業界ごとの項目を足していきます。どの項目を足すかは、公的な手引きや発注者の決まりがある時はそれに合わせるのが近道です。

『自分の業界だと、ほかに何を書けばいいの?』という方のために、編集部で業界別に足したい項目を表にしてみました。

業界・仕事骨組みに足したい項目の例参考にしたい物
システム開発業務の流れ・機能・画面・帳票・データ・外部とのやり取り・性能やセキュリティ発注者の要件定義書、公的なガイドライン
官公庁の調達調達の概要・作業の内容と体制・守る事・成果物の扱い・入札参加資格・再委託発注機関の調達仕様書の様式
建設・工事工事の場所と期間・使う材料・施工の方法・提出書類標準仕様書・共通仕様書・特記仕様書
物品の購入品名・数量・寸法や性能・納める場所と期日・検査の方法社内の購入の決まり
業務の委託作業の内容・回数・時間帯・報告の方法・成果物委託契約の書面

例えばデジタル庁のデジタル・ガバメント推進標準ガイドラインでは、調達仕様書の記載事項として、調達案件の概要、作業の実施内容、成果物の取扱い、入札参加資格、再委託などが挙げられています。官公庁向けの仕様書を書く時は、発注機関の様式を先に確かめておきましょう。

下請けに出す時の書面にも決まりがある

会社から小さな会社やフリーランスに仕事を頼む時は、法律で書面に書く事が決まっている場合があります。2026年1月1日施行の改正で、旧「下請法」は「取適法」に変わり、第4条で発注内容等の明示が求められています。

明示する事には、給付の内容、受け取る期日と場所、検査を完了する期日などが含まれます。仕様書と発注書を分けて作る時は、両方を合わせて抜けがないかを確かめておくと安心です。

項目の抜けがないかのチェック
  • 6つの骨組みが全部そろっているか
  • 業界の様式や発注者の決まりを確かめたか
  • 「含めない物」を書いたか
  • 決まっていない事を一覧にしたか
  • 合格の基準と確かめる人を書いたか

仕様書の目次と構成の作り方

先に結論

目次は、項目を「読む人が知りたい順」に並べたものです。最初に目的と範囲、次に中身、最後に検査と変更、という流れにすると、初めて読む人も迷いません。

仕様書の構成に迷ったら、日本の規格の書き方を決めたJIS Z 8301:2019が参考になります。この規格では、規格票の構成要素として名称・目次・まえがき・序文・適用範囲・引用規格・用語及び定義・記号及び略語・専門的な内容・附属書・参考文献・索引が挙げられています。

社内の仕様書でここまでそろえる必要はありません。ただ、「先に範囲と言葉の意味を決めてから中身を書く」という順番は、どんな仕様書にも使えます。

仕様書の目次の例

6つの骨組みを使った、仕様書の目次の例です。社内の備品管理ツールを頼む場面を想定しています。

章見出し中身の例
1目的備品の貸し出し状況を誰でも確かめられるようにする
2範囲貸し出しと返却は含める。購入の手続は含めない
3用語「備品」「貸し出し中」などの言葉の意味
4機能と画面貸し出し・返却・一覧の機能
5条件社内のパソコンから使えること
6成果物ツール本体と使い方の説明書
7検査総務課が貸し出しから返却まで確かめる
8変更と未定の事変更の相談の仕方と、まだ決まっていない事

表は編集部が作った架空の例です。3章の「用語」を最初のほうに置いておくと、後の章で言葉の意味がぶれにくくなります。

よくある失敗

思いついた順に項目を書き足していくと、同じ話が別の章に何度も出てくることがあります。どこに何を書くかを目次で先に決めて、同じ事は1か所にだけ書くようにしましょう。

仕様書の表紙に書くこと

先に結論

仕様書の表紙には、文書名・版・日付・作成者・承認欄を入れておきます。表紙を見ただけで「何の、いつの、どの版の仕様書か」が分かれば十分です。

『表紙なんて、タイトルだけでいいのでは?』と思いますよね。ただ、仕様書は何度も直される文書なので、表紙で版を見分けられるかがとても大事なんです。

表紙の欄書く内容書き方の例
文書名何の仕様書か備品管理ツール 仕様書
版何回目の版か第1.1版
日付この版を作った日作成日と最終更新日を分けて書く
作成者作った部署・人総務課
宛先誰に渡すか発注先の会社名
承認欄誰が確認したか作成・確認・承認の押印か署名の欄

表紙のテンプレートを作る時は、この6つの欄を入れておけば困りません。表紙の次のページに変更履歴を置くと、版ごとに何が変わったかがすぐ分かります。

仕様書の表紙に入れる文書名・版・日付・作成者・宛先・承認欄の配置を示した図解

ExcelやWordで表紙のひな形を作る方法は仕様書のテンプレートで紹介しています。

設計書の構成・項目・目次はどう考える?

先に結論

設計書も、表紙・変更履歴・目的・範囲といった前半は仕様書と同じです。違うのは中身の章で、画面・データ・処理など「どう作るか」の項目が中心になります。

『設計書の目次も同じでいいの?』という疑問もよく聞きます。仕様書と設計書の構成を並べると、違いが分かりやすいですよ。

仕様書の構成
  • 目的と範囲
  • 機能(何ができればいいか)
  • 条件と成果物
  • 検査の方法
設計書の構成
  • 目的と範囲(仕様書を引く)
  • 画面・帳票の設計
  • データと処理の設計
  • テストの方針

デジタル庁の標準ガイドラインでも、画面や帳票など利用者に直接見える部分の基本設計を行った後に、機能を実現するための詳細設計を行う流れが示されています。

設計書の目次の例

先ほどの備品管理ツールを例に、基本設計書の目次を作るとこんな形になります。

章見出し中身の例
1目的と範囲仕様書のどの版を元にしたか
2画面の一覧と遷移一覧・貸し出し・返却の画面と、つながり方
3帳票月ごとの貸し出し一覧の出力
4データ備品・利用者・貸し出し記録の項目
5外部とのやり取り社員名簿との連携の有無
6テストの方針何をどこまで確かめるか

表は編集部が作った架空の例です。1章で「元にした仕様書の版」を書いておくと、仕様が変わった時に設計書のどこを直すかを追いやすくなります。

設計書の種類や項目は設計書とは?で詳しく紹介しています。

仕様書の項目と表紙でよくある相談

ここでの結論

よく見かける相談は「表紙の受領印・承認印の違い」「納入仕様書と仕様書の違い」「表紙の日付はいつにするか」の3つです。どれも、表紙の欄の意味を決めておけば迷いません。

Q&Aサイトでよく見かける相談を、内容を要約して紹介しますね。

相談1:納入仕様書の受領印と承認印は何が違う?

『取引先とやり取りする納入仕様書に、受領印や承認印の欄がある。違いが分からない』という相談は、とても多く読まれています。

一般には、受領印は「この書類を受け取った」、承認印は「この中身でよいと認めた」という意味で使われることが多いです。どちらの意味で押すのかは、取引先や社内の決まりで確かめてみてください。

相談2:納入仕様書と仕様書は何が違う?

『仕様書と納入仕様書は、どう使い分けるの?』という相談も見かけます。納入仕様書は、納める側が「この中身で納めます」と示すために作ることが多い書類です。

頼む側が書いた仕様書と、納める側の納入仕様書を見比べて、食い違いがないかを確かめるのが大事なポイントです。

相談3:表紙の日付は、作った日と出した日のどちら?

『先方に出す書類の表紙に日付を入れるが、作った日と提出日のどちらにすればいいか』という相談もあります。迷ったら、作成日と提出日の欄を分けておくと誤解がありません。

仕様書を読み解き、項目をそろえて文書にまとめる力は、システム開発の要件定義や社内SEの仕事とも共通しています。ITの仕事に興味がある方は、今の仕事で積んだ経験がどこで活きるかを調べてみるのもいいですね。

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よくある質問

仕様書の項目に決まりはありますか?

社内の仕様書なら、法律で決まった項目はありません。ただ、官公庁の調達や公共工事では発注機関の様式が、下請けに出す仕事では取適法の明示事項があります。提出先がある時は、まず相手の決まりを確かめましょう。

仕様書の目次は何章くらいがいいですか?

決まった章の数はありません。6つの骨組みを1章ずつにして、中身の多い所だけ章を分けると、多すぎず少なすぎない目次になります。

表紙のテンプレートは毎回作り直すべきですか?

作り直す必要はありません。文書名・版・日付・作成者・宛先・承認欄を入れたひな形を1つ作り、使い回すのがおすすめです。

仕様書の内容がまだ決まっていない項目はどうすればいいですか?

空欄にせず「未定」と書き、いつまでに誰が決めるかを添えておきましょう。決まっていない事を一覧にしておくと、後の打ち合わせで話す順番も決めやすくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 仕様書の項目は、目的・範囲・条件・成果物・検査・変更の6つの骨組みから考える
  • 業界ごとの項目は、発注者の様式や公的な手引きを確かめて足す
  • 目次は、目的と範囲、中身、検査と変更の順に並べる
  • 表紙には文書名・版・日付・作成者・宛先・承認欄を入れる
  • 設計書も前半は同じで、中身は画面・データ・処理などどう作るかが中心

仕様書を読む側の立場で項目を確かめたい方は、仕様書の読み方も参考にしてみてください。

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仕様書ドットコム 編集部

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