仕様書の作成ツール|Excel・Word・ドキュメント共有・作図の選び方

仕様書の作成ツールの選び方を紹介する記事のアイキャッチ。オフィスの机のノートPCと書類、ホワイトボードの図

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仕様書を書くことになって、『ExcelとWord、どっちで作ればいいの?』『もっと便利なソフトがあるのでは』と迷っていませんか。

結論から言うと、仕様書の作成ツールは「文章」「表」「図」「共有と履歴」の4つの役割で選ぶと迷いません。1つのツールで全部をまかなう必要はないんです。

この記事を読めば、仕様書のソフトの選び方と、設計書・要件定義書で組み合わせる時の考え方が分かります。

目次

仕様書の作成ツールは何を使えばいい?

先に結論

仕様書のツールは、Excel・Wordのような事務ソフト、複数人で書けるドキュメント共有ツール、作図ツール、テキスト(Markdown)の4種類が中心です。どれが正解かは、誰が読み、誰が直すかで決まります。

仕様書には、文章で説明する所、項目を表で並べる所、流れを図で見せる所がありますよね。どの部分が多い仕様書かで、使いやすいツールは変わります。

ツールの種類得意なこと苦手なこと
Excel(表計算)項目一覧、テスト項目、大きな表長い文章、変更の差分の確認
Word(文書作成)長い文章、章立て、印刷する書類大きな表、同時に何人もで編集
ドキュメント共有ツール同時編集、コメント、履歴社外の人への渡し方、書式の細かい調整
作図ツール画面遷移図、構成図、流れ図文章や表の管理
テキスト(Markdown)差分の確認、ソースコードと一緒の管理見た目の作り込み

『じゃあ全部そろえないといけないの?』と思うかもしれません。ただ、実際は今の職場にあるツールの組み合わせで十分なことがほとんどです。

ツールを4つの役割で選ぶ方法

先に結論

仕様書の中身を「文章」「表」「図」「共有と履歴」の4つに分け、それぞれを一番楽に書けるツールに任せます。役割ごとに決めると、ツール選びで迷う時間が減ります。

ここが大事なところです。ツールの名前から考えるより、仕様書の中身から考えたほうが選びやすいんです。

仕様書の作成ツールを文章・表・図・共有と履歴の4つの役割に分けて選ぶ考え方の図解

役割1:文章

背景や目的、業務の流れの説明は、文章が中心です。章立てや目次をきれいに作りたいならWord、開発者どうしで読むならMarkdownが向いています。

文章の部分で大事なのは、見出しの番号がずれないことです。見出しの番号を自動で振れるツールを使うと、章を足しても番号を手で直さずに済みますよ。

役割2:表

画面の項目、テーブルの列、テスト項目のように、同じ形の行が並ぶ部分は表です。行が多い時や、並べ替え・絞り込みをしたい時はExcelが楽ですよ。

役割3:図

画面遷移図やシステムの構成図は、作図ツールで描くのが一番きれいです。描いた図は画像にして文章に貼り、元のファイルも一緒に保存しておきましょう。

画像だけ残して元のファイルを失くすと、小さな直しでも図を一から描き直すことになります。元のファイルの置き場所は、仕様書の中に一言書いておくと親切です。

役割4:共有と履歴

何人かで同じ仕様書を直すなら、誰がいつ何を変えたかが残る仕組みが要ります。ドキュメント共有ツールの履歴機能や、ソースコードと同じ版の管理を使う方法があります。

ツールを選ぶ前に確かめること
  • 仕様書を読む人は社内だけか、社外の人もいるか
  • 何人で同時に直すか
  • 表と図のどちらが多い仕様書か
  • 変更の履歴をどこまで残す必要があるか
  • 職場で使ってよいツールが決まっていないか

最後の確認は見落としがちです。会社によっては、使ってよいソフトや保存場所が決まっていることがあるので、先に聞いておくと安心ですね。

場面別の組み合わせ例

4つの役割を、よくある場面に当てはめてみました。編集部で考えた組み合わせの一例です。

場面文章表図共有と履歴
1人で小さな社内ツールを作るWord か MarkdownExcel手書きを写真で残す程度ファイル名に版を入れる
数人のチームで開発するドキュメント共有ツールExcel作図ツール共有ツールの履歴
外部の会社に開発を頼むWordExcel作図ツールPDFに書き出して版ごとに保存
開発者どうしで設計を詰めるMarkdownMarkdownの表テキストで描く図ソースコードと同じ版の管理

『うちはどれにも当てはまらない』という方もいると思います。その時は、いちばん困っている役割から先に決めてみてください。

例えば「表が多くて探しにくい」なら表の役割から、「誰が直したか分からない」なら共有と履歴の役割から見直すと、手を付けやすいですよ。

設計書・要件定義書のツールはどう選ぶ?

先に結論

要件定義書は発注側と開発側の両方が読むので、相手が開ける形式を優先します。設計書は直す回数が多いので、履歴が追いやすいツールを優先します。

同じ仕様書でも、要件定義書と設計書では読む人が違いますよね。そこを分けて考えると、選び方がはっきりします。

文書主に読む人優先したいこと合いやすいツールの例
要件定義書発注側と開発側誰でも開ける・承認しやすいWord、Excel、PDFに書き出し
基本設計書発注側と開発側画面や帳票が見て分かるExcel、作図ツール
詳細設計書開発チーム直しやすい・差分が追えるMarkdown、ドキュメント共有ツール
テスト仕様書開発チーム・テスト担当項目の数を管理できるExcel

これは編集部が考えた目安です。職場の決まりや、発注者が指定した形式があればそちらに合わせてください。

例えばこんな場面

社内の業務システムを外注する時、要件定義書をドキュメント共有ツールだけで作ったとします。ところが発注先の会社がそのツールを使えず、結局PDFに書き出して渡すことに。

「最初から渡す形式を決めておけばよかったね」
「次は、読む人が開けるかを先に確かめよう」

こんな行き違いは、最初の確認で防げます。要件定義書の中身は、要件定義書の書き方で詳しく紹介しています。

仕様書のソフトでよくある相談

先に結論

よくあるのは「デザイン用のソフトで仕様書を作ってもいい?」「ソースコードから仕様書を作るツールはある?」「小さなプログラムにも仕様書は要る?」の3つです。どれも、読む人と直す人を考えると答えが見えてきます。

知恵袋などで見かける相談を、内容をまとめて紹介します。

相談1:服のデザイン仕様書をデザイン用のソフトで作っている

アパレルのデザイン仕様書を、絵を描くためのデザイン用ソフトで作っている人に作り方を聞きたい、という相談です。閲覧数がとても多く、同じことで悩む人が多いと分かります。

絵が中心の仕様書なら、図を描きやすいソフトを使うのは自然な選び方です。ただ、寸法や素材の一覧は表にしたほうが工場の人も読みやすいので、表の部分は別に作る方法もありますよ。

服の仕様書の中身は、アパレル・服の仕様書の書き方でまとめています。

相談2:ソースコードから仕様書を作るツールはある?

前の担当者が書いたプログラムを直すことになったけれど仕様書が無い、ソースから仕様書を作るツールはないか、という相談です。こういう状況、実はよくあるんです。

ソースコードから関数や項目の一覧を書き出す機能を持つ開発ツールはあります。ただ、出てくるのは「どう作られているか」で、「なぜそう決めたか」までは分かりません。

よくある失敗

ツールが書き出した一覧を、そのまま仕様書として扱ってしまうことです。今のプログラムの動きが、もともと決めた仕様と同じとは限りません。関係者に聞いて確かめた事を書き足しましょう。

手順はソースコードから設計書を作る(リバース)で紹介しています。

相談3:VBAくらいの小さな開発でも仕様書は書く?

Excel VBAで仕様書を書く人はいるのか、それともその規模なら要らないのか、という相談です。

自分しか使わないマクロなら、メモ程度でも困らないかもしれません。でも、ほかの人が使う・あとで誰かが直すなら、短くても仕様書があると助かります。詳しくはExcel VBA・業務ツールの仕様書の書き方を見てみてください。

ツールより先に決めておきたいこと

先に結論

どのツールを使っても、ファイルの置き場所・ファイル名・版の付け方が決まっていないと仕様書は散らかります。ツールを選ぶ前に、この3つを決めておきましょう。

『便利なツールを入れれば整理される』と思いがちですよね。実は、散らかる原因はツールより決まりごとの無さのほうが多いんです。

仕様書の管理の決まりを作る手順
  1. 仕様書を置く場所を1か所に決める
  2. ファイル名の付け方を決める
  3. 版を上げるタイミングを決める
  4. 変更履歴をどこに書くかを決める
  5. 正式版を渡す時の形式を決める

途中でツールを変える時の注意

仕様書を書いている途中で、別のツールに移したくなることもありますよね。この時に起きやすいのが、古いファイルと新しいファイルの両方が残って、どちらが正しいか分からなくなることです。

移す時は、移した日と移した先を古いファイルの先頭に書き、古いほうは直さない決まりにしておきましょう。表や図の書式が崩れていないかも、移した直後に一度見ておくと安心です。

Excelのひな形を使うなら、仕様書のテンプレートの作り方も参考になります。テキストで管理したい場合は、仕様書・設計書をMarkdownで書くで手順をまとめています。

生成AIで下書きする時

生成AIで仕様書の下書きを作る場面も増えてきました。下書きのあとで、項目の抜けや決めていない事が書かれていないかを人が確かめる流れにしておくと安心です。手順は仕様書をAIで作るで紹介しています。

ツールを使いこなす力は仕事でどう活きる?

先に結論

ツールを役割で使い分け、読む人に合わせて仕様書を渡せる力は、要件定義や設計を任される仕事でそのまま活きます。

仕様書のツールに詳しくなるのは、ただの作業の効率化に見えるかもしれません。でも、読む人を考えて形式を選べる人は、発注側とも開発側とも話がしやすいんです。

今の職場で仕様書づくりを任せてもらいながら経験を積むのも、十分に価値のある道です。上流工程の仕事に一歩進みたい人は、求人の仕事内容で「どの文書を書く担当か」を比べてみると、道が見えてきますよ。

オフィスの机に広げた仕様書の紙の資料とノートPC、作図用のホワイトボードの画面遷移の図

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よくある質問

仕様書の作成ツールはExcelとWordのどちらがいいですか?

項目一覧やテスト項目のような表が多い仕様書はExcel、長い文章や章立てが多い仕様書はWordが向いています。1つの仕様書の中で、表の部分だけExcelにする使い分けもできます。

設計書のツールは何を選べばいいですか?

発注側も読む基本設計書は、相手が開ける形式を優先します。開発チームの中で直す回数が多い詳細設計書は、履歴が追いやすいツールを選ぶと管理しやすくなります。

要件定義書のツールに決まりはありますか?

使うツールは職場や発注者ごとに違います。発注者が形式を指定することもあるので、書き始める前に確かめておきましょう。

無料のツールだけで仕様書は作れますか?

作れます。文章・表・図・共有と履歴の4つの役割がそろえば、ツールの値段は関係ありません。ただ、職場で使ってよいツールかどうかは先に確かめておきましょう。

仕様書のソフトを新しく入れる前に何を確かめればいいですか?

職場で使ってよいツールか、社外の人も開けるか、何人で同時に直すかを確かめます。置き場所やファイル名の決まりも、ツールと一緒に決めておくと散らかりません。

まとめ

この記事の要点
  • 仕様書のツールは文章・表・図・共有と履歴の4つの役割で選ぶ
  • 1つのツールで全部をまかなう必要はない
  • 要件定義書は相手が開ける形式、設計書は履歴が追える形式を優先する
  • ツールが書き出した一覧をそのまま仕様書にしない
  • 置き場所・ファイル名・版の付け方を先に決める
仕様書ドットコム

仕様書ドットコム 編集部

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